こんにちは! 建設業界の最新情報をお届けする当ブログへようこそ。
2025年5月14日に、清水建設株式会社より 2025年3月期の連結決算が発表されましたね。
今回は、この決算内容を深掘りし、 注目の来期予想、そして私たちがこの結果から どのようなヒントを得られるかについて考察していきたいと思います!
清水建設 2025年3月期決算のハイライト! V字回復の背景は?
まずは、清水建設の2025年3月期連結決算の 主要な数字を見ていきましょう。
主要経営成績(連結)
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売上高: 1兆9,443億60百万円(前期比 3.0%減)
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営業利益: 710億30百万円(前期は赤字でした!)
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経常利益: 716億64百万円(こちらも前期赤字からの黒字転換!)
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親会社株主に帰属する当期純利益: 660億15百万円(前期比 284.6%の大幅増!)
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1株当たり当期純利益: 94円80銭(前期 23円57銭)
売上高は微減ながらも、 利益面では目覚ましいV字回復を遂げています!
特に、営業利益と経常利益が黒字転換したことは 非常に大きなポイントです。
この背景には、国内建築工事における 「工事採算の持ち直し」 が大きく貢献したようです。
一方で、投資開発事業は 開発物件の売却タイミングの影響などで 減収減益となりましたが、 建設事業本体の力強さが光る結果と言えるでしょう。
注目ポイント:資本効率への意識改革
今回の決算で特に注目したいのが、 清水建設が「政策保有株式の縮減」を前倒しで進め、 さらに新たな目標を設定した点です。
2024年度には 586億円 もの政策保有株式を売却し、 連結純資産に対する比率を 27.0% まで引き下げました。
これは、企業価値向上に向けた 強い意志の表れと見ることができます。
【速報】2026年3月期の連結業績予想もチェック!
そして、気になる来期(2026年3月期)の 連結業績予想も発表されています。
今期の好調さを維持し、 さらなる成長を目指す計画のようです。
2026年3月期 連結業績予想
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売上高: 1兆9,100億円(2025年3月期実績比 1.8%減)
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営業利益: 780億円(同 9.8%増)
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経常利益: 730億円(同 1.9%増)
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親会社株主に帰属する当期純利益: 750億円(同 13.6%増)
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1株当たり当期純利益: 109円92銭
売上高は若干の減少を見込んでいるものの、 営業利益、経常利益、そして最終的な純利益は すべて増益予想となっています。
特に親会社株主に帰属する当期純利益は 13.6%増 と、 力強い成長が期待されます。
これは、引き続き工事採算の改善や コスト管理の徹底を進めていく姿勢の表れと考えられます。
この決算から建設業界関係者は何を学ぶべきか?
さて、この清水建設の決算は、 私たち建設業界に身を置く者にとって、 多くの重要なヒントを与えてくれています。
以下に、私たちが取るべき行動の指針を まとめてみました。
1.「工事採算性」こそ生命線!
清水建設の利益回復の最大の要因は、 工事採算の改善でした。
資材高騰や労務費上昇が叫ばれる今、 見積もり精度の向上、徹底した原価管理、 そして生産性向上のための工夫が、 これまで以上に重要になってきます。
一つ一つのプロジェクトの利益を しっかり確保する意識を徹底しましょう。
2.事業ポートフォリオは最適か? リスク分散はできているか?
建設事業が好調でも、他の事業セグメントが 市況に左右される可能性は常にあります。
自社の強みを見極め、 安定的な収益基盤を築くための 事業ポートフォリオの最適化、
そして将来を見据えたリスク分散戦略 (海外展開や新規事業など)も 検討していく必要があります。
3.「資本効率」を意識した経営へシフト!
清水建設の政策保有株縮減の動きは、 業界全体へのメッセージとも捉えられます。
遊休資産の活用や、 投資判断における資本コストの意識など、 よりスマートな財務戦略が求められています。
4.コスト上昇は「交渉」で乗り切れ!
資材価格や労務費の上昇は 避けて通れない課題です。
サプライチェーンの見直しや 代替工法の採用努力はもちろんのこと、
発注者に対して適切な価格転嫁を 粘り強く交渉していく姿勢が不可欠です。
5.「人手不足」対策は待ったなし! 魅力ある業界へ
決算短信でも触れられている通り、 担い手不足は深刻です。
DX推進による生産性向上はもちろん、 若者が魅力を感じる職場環境づくり、 そして未来を担う人材育成への投資を 惜しんではいけません。
6.ESG経営で持続可能な成長を!
短期的な利益追求だけでなく、 環境(Environment)、社会(Social)、 ガバナンス(Governance)への配慮は、 企業の持続的成長の土台です。
環境負荷低減技術の導入、安全管理の徹底、 法令遵守、そして地域社会への貢献活動などを通じて、 社会から信頼され、選ばれる企業を目指しましょう。
まとめ
清水建設の2025年3月期決算と 2026年3月期の業績予想は、
建設業界が直面する課題と、 それに対する一つの解を 示してくれたように思います。
厳しい経営環境ではありますが、 変化を恐れず、先を見据えた戦略と 確かな実行力があれば、 必ず道は拓けます。
今回の分析が、 皆さんの今後のビジネスの 一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、 ありがとうございました!