建築のお仕事、毎日お疲れ様です!
「あれ、これって違法建築?それとも既存不適格?」現場や取引で、一瞬迷うこと、ありませんか?
この二つの言葉、似ているようで意味も法律上の扱いも全然違います。うっかり間違えると大きなトラブルにも…。
今回は、この重要な違いを、建築基準法のポイントを押さえつつ、どこよりも分かりやすく解説します!この記事を読めば、もう迷いません!
1. まずはキホンから!「違法」と「不適格」って何が違うの?
言葉の意味をしっかり押さえるのが第一歩。見た目は似ていても、中身は大違いなんです。
1.1. 「違法建築物」ってどんな建物? 😱
ひとことで言うと… 建てた時からルール違反、または建てた後にルール違反の状態になっちゃった建物。
ポイントはココ! 建てる時やその後の増改築などで、建築基準法や関連ルールを守っていないことが原因です。
- 例えばこんなケース
- 役所に届け出た設計図と違う工事をした(あるある?)
- 必要な検査(完了検査など)を受けずに使い始めた
- 勝手に増築して、建ぺい率や容積率がオーバーした
- そもそも建築確認を取らずに建てた
どうなっちゃうの? 役所から工事の中止命令や、建物の取り壊し、使用禁止などの是正命令が出ることがあります(建築基準法 第9条など)。これは、違反状態を解消するための、かなり強い措置です。
1.2. 「既存不適格建築物」ってどんな建物? 🤔
ひとことで言うと… 建てた時はバッチリ適法!でも、その後の法律改正や都市計画の変更で、今の新しいルールには合わなくなってしまった建物。
ポイントはココ! 建物のせいではなく、後からルールが変わったのが原因です。 建築基準法 第3条第2項には、「ルールが変わった時に、すでに建っている建物や工事中の建物が新しいルールに合わなくても、すぐに違反とはせず、そのまま使っていいですよ」という趣旨のことが書かれています。
- つまりこういうこと
- 建てた時は当時の法律を守って、ちゃんと確認済証も検査済証もある。
- でも、その後、例えば耐震基準が厳しくなったり、用途地域の制限が変わったりした。
- その結果、今の基準で見ると「ちょっと合わない部分があるね」という状態。
だからといって、何でもOK? いえいえ、そうではありません。そのまま使い続けることは基本的にOKですが、増改築などを行う際には注意が必要です(建築基準法 第3条第3項)。
2. ココが最重要!法律上の扱いはどう違うの?
「違法」か「不適格」かで、対応は天と地ほど変わります。ここをしっかり押さえましょう!
2.1. 「違法建築物」に関わってしまったら…どうする?
- 行政からの指導・命令: 違反を是正するよう指導され、従わない場合は使用禁止や取り壊し命令も。
- 罰則: 建築主だけでなく、設計者や施工業者も責任を問われ、罰金や懲役刑が科されることもあります。
- 増改築はNG: 基本的に、違反状態を解消しない限り、増改築の許可は下りません。
一言でいうと:「即、なんとかしないとマズイ!」
2.2. 「既存不適格建築物」の場合は?
- そのまま使用OK: 基本的には、すぐに何かを強制されることはありません。
- 増改築は要注意:
- 一定規模以上の増改築や大規模修繕を行う場合、原則として建物全体または工事部分を現行の法律に適応させる必要があります。これを「遡及適用(そきゅうてきよう)」と言います。
- 例えば、昔の耐火基準のままの建物で増築する場合、建物全体を今の基準に合わせるために大規模な改修が必要になることも。
- 緩和措置も: ただし、「既存不適格建築物に対する制限の緩和(建築基準法 第86条の7など)」というルールもあり、一定の条件を満たせば、基準が少し緩やかになることも。この判断は専門知識が必須です!
一言でいうと:「普段はOK。でも、いじる時は最新ルールをチェック!」
3. 仕事で気をつけるポイント:見極めがプロの腕の見せ所!
中古物件の調査やリフォーム・増改築の計画では、その建物が「違法」なのか「既存不適格」なのか、はたまた両方の問題を抱えているのかを正確に見抜くことが超重要です。
- ✅ 徹底的に調べる!
- 建築確認済証や検査済証はちゃんとあるか?(基本中の基本!)
- 過去に無許可で増改築していないか?
- 現状が確認済証や設計図通りか?(用途変更などもチェック)
- ✅ 今の法律と照らし合わせる!
- 建物が建てられた当時の法律と、現行法規を比較し、どこが違うのか(不適格な箇所)を把握する。
- ✅ 迷ったら役所に相談!
- 自己判断は危険! 少しでも「あれ?」と思ったら、必ず管轄の特定行政庁(役所の建築指導課など)に相談し、正式な見解をもらいましょう。これが一番確実で安心です。
💡 プロとしての心構えも大切
既存不適格建築物であっても、例えば耐震性や防火性が現行基準より著しく低い場合は、法律上の義務とは別に、利用者の安全のためにできる範囲での改修や補強を提案・実施することが、建築の専門家としての信頼につながります。
【今回のポイント速習】キーワードでサクッと理解!
違法建築物
原因:建築主側の問題(建てる時・建てた後)
状態:最初から or 途中から法令違反
対応:是正義務あり! 行政指導・罰則リスクも。
既存不適格建築物
原因:法改正・都市計画変更(建物のせいじゃない、外的要因)
状態:建築時は適法 → 今のルールに合わないだけ
対応:現状維持は原則OK(即是正不要)。でも増改築時は現行法適合の必要性アリ!
実務での肝はコレ!
正確な法的状況の把握 (最重要!)
建築確認・検査済証・増改築履歴のチェックは念入りに。
判断に迷ったら、ためらわずに特定行政庁へ相談!
4. まとめ:正しい理解が、トラブルを防ぎ、より良い建築を生む!
「違法建築物」と「既存不適格建築物」。 名前は似ていても、その意味と扱いは月とすっぽん。
🔴 違法建築物:ルール違反状態。直す義務があり、放置は絶対NG!
🟡 既存不適格建築物:昔はOK、今はルールが変わっただけ。すぐには違反にならないが、増改築の際には現行法への適合が必要になるケースが多い。
建築に携わるプロとして、この違いを正確に理解し、個々のケースに正しく対応することが、建物の安全性を高め、法令遵守の徹底につながります。それは、お客様からの信頼を得て、ひいては社会全体に貢献することにもなるはずです。
法律や条例は常にアップデートされます。私たち専門家は、常に最新情報をキャッチし、学び続ける姿勢が何よりも大切ですね!
これからも、皆さんの実務に役立つ情報をどんどん発信していきますので、お楽しみに!
(この記事の情報は2025年5月現在の法律に基づいています)