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【東急建設決算】から学ぶ!建築・不動産業界の次の一手は?

東急建設が2025年3月期の決算を2025年5月13日に発表しました。

この内容は、建設業界の「今」と、私たち建築・不動産業に携わる者が「これからどうすべきか」を考える上で、たくさんのヒントをくれます。

専門用語はなるべく使わず、ポイントを絞って解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください!

ここがポイント!東急建設の成績表(決算ハイライト)

まずは、東急建設の「2025年3月期の実績」と「2026年3月期の見通し」をチェックしましょう。

2025年3月期(実際どうだった?)

  • 売上高: 2,931億39百万円(去年より2.6%アップ!)
  • 営業利益: 88億39百万円(去年より8.4%アップ!)
  • 経常利益: 97億1百万円(去年より0.4%ダウン…)
  • 最終的なもうけ(親会社株主に帰属する当期純利益): 66億31百万円(去年より8.7%ダウン…)

売上と本業のもうけ(営業利益)は増えていて、建設マーケットが元気なのがわかりますね。 特に、国内の民間企業や役所からの工事が好調だったようです。

ただ、経常利益や最終的なもうけは少し減りました。これには税金の支払いなどが影響していると考えられます。

 

2026年3月期(これからどうなる?予想)

  • 売上高: 3,380億円(今年度より15.3%もアップする見込み!)
  • 営業利益: 95億円(今年度より7.5%アップする見込み!)
  • 経常利益: 100億円(今年度より3.1%アップする見込み!)
  • 最終的なもうけ: 73億円(今年度より10.1%アップする見込み!)

来期は、売上がグーンと伸びて、利益もしっかり増える予想です。これは期待大ですね!

 

事業ごとの状況はどうだった?(2025年3月期実績)

  • 建設事業(建物をつくる仕事):
    • 受注した仕事の金額: 3,085億44百万円(去年より28.0%も増えました!)国内の民間企業や役所からの仕事が特に好調。
    • 完成した仕事の金額: 2,196億84百万円(去年より1.9%増)。
    • この事業でのもうけ: 118億18百万円(去年より20.8%増)。しっかり稼いでいます!
  • 建設事業(道路やトンネルをつくる仕事):
    • 受注した仕事の金額: 973億35百万円(去年よりなんと62.1%も増えました!)海外も国内(役所・民間)も全部好調。
    • 完成した仕事の金額: 684億86百万円(去年より2.4%増)。
    • この事業でのもうけ: 45億38百万円(去年より24.8%増)。こちらも好調です!
  • 不動産事業など:
    • 売上高: 49億68百万円(去年より55.6%増)。
    • この事業でのもうけ: 14億88百万円(去年より32.5%減)。売った不動産の利益はあったものの、ちょっと特殊な費用の影響があったようです。

特にスゴイのは、建設事業で「これからやる仕事(受注高)」が大幅に増えていること! これは、将来の売上や利益につながる明るいニュースで、マーケットが活気づいている証拠と言えそうです。

 

会社の体力はどう?(財政状態とキャッシュ・フロー:2025年3月期実績)

  • 総資産: 2,743億15百万円(去年より97億90百万円増えました)
  • 純資産: 1,026億67百万円(去年より18億77百万円増えました)
  • 自己資本比率: 37.1%(去年より0.7ポイントダウン…でもまだ大丈夫!)
  • 営業活動によるキャッシュ・フロー: 407億19百万円のプラス!(去年はマイナスだったので、大きく改善!)

自己資本比率は少し下がりましたが、会社の体力はしっかりしていて、事業でお金を生み出す力もグンとアップしています。

 

株主への利益還元はどうだった?(配当)

  • 2025年3月期の配当(実績): 1株あたり年間38円(中間19円、期末19円)
    • これは、会社が持っている純資産に対してどれだけ配当を出したかを示す「自己資本配当率(DOE)」で見ると4.0%になります。
  • 2026年3月期の配当(予想): 1株あたり年間39円(中間19円、期末20円)
    • 来期は1円増配の予想です!

東急建設は、「自己資本配当率(DOE)4.0%以上」を目標にして、安定的・継続的に株主へ利益を還元することを基本方針としています。
短期的な業績の変動に左右されにくい形で、株主のことをしっかり考えてくれているのが伝わってきますね。

 

この決算から何を学び、どう動く?

さて、この東急建設の決算から、私たち建築・不動産業者はどんなことを読み取り、これからどう動いていけば良いのでしょうか?

1. 今のマーケットを知ろう:チャンスと課題

東急建設の報告書からは、こんなマーケットの状況が見えてきます。

  • 建設投資はまだまだ元気!: 国の投資も安定しているし、民間企業も「新しいものを作りたい!」という気持ちが強いです。 つまり、私たちにはまだまだ仕事のチャンスがありそうです。
  • でも、課題もいっぱい…:
    • 人手が足りない&働き方を変えないと!: 職人さんが減っていたり、残業ができなくなったり。もっと効率よく働けるように、そして働きやすい環境づくりが急務です。
    • 材料費が高いまま…: コストをしっかり管理して、お客さんにも価格を理解してもらう交渉力がますます大事になっています。
    • 世の中の変化に対応しないと!: 「新しいものを作る」だけでなく、「今あるものを長く使う、直して使う」というニーズが増えています。そして、IT技術への対応も待ったなしです。

2. 東急建設の戦略から「勝つためのヒント」を学ぼう!

東急建設は「長期経営計画 “To zero, from zero.”」という計画を立てて、こんな戦略に力を入れています。 これは私たちにとっても、すごく参考になります。

  • 得意なこと、これから伸ばすこと、ハッキリさせよう!:
    • 得意なコア事業: 国内の土木、建築、リニューアル工事
    • これから伸ばす戦略事業: 海外事業、不動産事業、新しい事業

    自分たちの会社の「強み」を見つけて、どこに力を注ぐか、ハッキリさせることが大切です。

  • どんな「価値」をお客さんに届けるか?:
    • 「地球にやさしく(脱炭素)」
    • 「ムダをなくす(廃棄物ゼロ)」
    • 「もしもに備える(防災・減災)」

    これらは、今の社会が解決したい大きな問題です。 これらに役立つ技術やサービスは、会社の価値を上げ、他社との競争でも有利になります。

    あなたの会社では、どんな風にこれらの価値を提供できますか? 例えば、省エネバッチリの建材を提案したり、リサイクルできる材料を使ったり、地震に強い技術をもっと磨いたり、といったことです。

  • 競争で勝つための武器は?:
    • 「人」の力
    • 「IT」の力

    IT技術(DX)で仕事をもっと効率的にしたり、BIM/CIMという新しい設計方法を活用したり。 そして、それを使いこなせる「人」を育て、集めることが、これからの成長には絶対に必要です。

3. さあ、具体的に何をしよう? アクションプラン!

ここまでの話をふまえて、私たち建築・不動産業者がこれから具体的に取り組むべきことを提案します。

  • IT技術をもっと使って、仕事のやり方を根本から変えよう!(DXの加速と生産性アップ):
    • みんなで情報共有できるシステムを入れたり、ドローンやAIを測量や検査に使ったり、ロボットに工事を手伝ってもらったり。積極的にIT技術を取り入れて、仕事の効率をグンと上げましょう。
    • BIM/CIMという設計・施工の新しいやり方は、効率アップだけでなく、建物を長く使うためのメンテナンスにも役立ちます。
  • 地球や社会に良いことをして、会社のファンを増やそう!(環境・社会課題への取り組み強化):
    • 「使うエネルギー実質ゼロ」を目指すZEH(ゼッチ)住宅やZEB(ゼブ)ビルをどんどん作ったり、太陽光発電などの導入を手伝ったり、木のぬくもりがある建物を増やしたり。「脱炭素」に役立つ仕事を強化しましょう。
    • 工事現場で出るゴミを減らしたり、リサイクル率を上げたりする技術を開発・導入して、「廃棄物ゼロ」を目指す取り組みは、コストも減らせるし、会社のイメージアップにもつながります。
    • 災害が起きても事業を続けられるようにする計画(BCP)のお手伝いや、災害に強い建物の提案は、社会からの信頼をグッと高めます。
  • 「古いものを活かす」マーケットに注目!リノベーション・リフォーム事業をもっと元気に!:
    • 今ある建物を長持ちさせたり、省エネ性能をアップさせたり、もっと価値を高める改修をしたり。中古の建物を活かすニーズは、これからますます高まります。専門のチームを作ったり、技術力を高めたりすることが大切です。
  • 材料の仕入れを工夫して、協力会社さんとはもっと仲良く!:
    • 材料を安定して手に入れられるようにルートを確保したり、代わりになる材料を探したり、協力会社さんとは長い目で見て良い関係を築いたり。これで、材料費が上がっても慌てないようにしましょう。
  • 「人」が一番の財産!採用も育成も定着も、もっと本気で!:
    • 「ここで働きたい!」と思ってもらえるような労働条件にしたり、いろんな仕事ができるように育てたり、資格を取るのを応援したり、女性や若い人がもっと活躍できるような職場にしたり。人材への投資をケチらないことが、会社の未来を作ります。

まとめ:変化に対応し、新しい未来を一緒につくろう!

東急建設の2025年3月期の決算は、私たち建設・不動産業界が今どんな課題に直面していて、その中でどうすれば成長し続けられるのか、そのヒントをはっきりと示してくれました。

マーケットが元気なのは嬉しいことですが、人手不足や材料費の高さ、そしてIT化や脱炭素といった大きな変化の波は、私たちに「変わらなきゃ!」と強く迫っています。

この決算を一つの「道しるべ」として、自分たちの会社の強みをもう一度見つめ直し、社会の困りごとを解決することで新しい価値を生み出し、そして何よりも「人」と「技術」への投資を続けること。 これらが、先が見えにくい今の時代を乗り越えて、長く成長していくための「カギ」になるはずです。

私たち建築・不動産業界が力を合わせて、もっと良い社会の土台を作り、みんなが豊かに暮らせる環境を実現していく。 そんな未来を、一緒に作っていきましょう!