「また建売屋さん、急かしてるよ…」 「なんでそんなにセカセカしてるの?」
建売業者と仕事していると、こんな風に思うこと、ありませんか?
この記事では、 なぜ建売業者が建築確認申請を「とにかく早くしてー!」って思っているのか、 その切実な理由を、 「お金」と「時間」の面から、 分かりやすくお話しします。
建売の仕事はスピードが命!その理由をじっくり見ていきましょう!
建売住宅は、土地を見つけて、建てて、売るまで全部やりますよね。 この流れをどれだけ早くできるかが、収益に大きく関わってきます。
確認申請が遅れると、全てが遅れてしまい、色々な問題が出てきます。
では、建売業者が確認申請を急ぐ「5つの主な理由」を見ていきましょう。
理由その1:【お金の話】キャッシュフローって超大事!1日でも早くお金を回収したい!
- まず、最初にまとまったお金がかかります
- 土地の購入や建築には、まず大きな資金が必要です。
- だから急ぐんです。資金が戻ってこないと大変です!
- 確認申請が遅れると、建築も販売も遅れますよね?そうすると、投下した資金がなかなか戻ってきません。
- 結果として、会社のキャッシュフローが悪化し、銀行への利息も増えます。場合によっては、次の事業にも影響が出かねません。
- ここもポイントです。ローンの利息も減らしたいのです!
- 確認済証が出ると、銀行から正式に融資を受けられるようになることが多いです。
- 申請が長引くと、つなぎ融資の期間が延び、余計な利息を支払うことになります。
理由その2:【売るタイミング】チャンスは逃したくない!「いつ売るか」と「宣伝」がカギ!
- 住宅には、「売れる時期」というものがありますよね
- 春の新生活や、お子さんの入学シーズンなど、皆さんが家を探すタイミングがあるでしょう。
- だから急ぐのです。一番良い時期に販売したいですからね!
- 確認申請が遅れると、この「売り時」を逃してしまいます。
- とても大事なことです。確認済証がないと「広告」が出せません!
- 法律で定められており、建築確認済証が交付されて初めて、チラシやインターネットで正式な販売広告ができるのです。
- 広告開始が遅れると、お客様へのアプローチも遅れ、販売機会を失う可能性があります。
- 補足ですが、競合他社にも負けたくありません!
- 同様のエリアで競合物件があれば、少しでも早く情報を出す方が有利になります。
理由その3:【お金(コスト)】見えない敵が怖い!材料費アップとか人手不足とか、なんとかしたい!
- 最近、色々と値上がりしていますよね?
- 木材などの建築資材の価格や、職人さんの人件費も上昇傾向にあります。
- だから急ぐのです。現在の価格で手を打ちたいのです!
- 確認申請が早く済めば、工事契約や資材発注も早く進められますよね。
- そうすることで、価格が上昇する前に、現在の価格である程度コストを固定できます。
- ここも重要です。腕の良い職人さんを確保したいのです!
- 職人さんがなかなか見つからないとよく聞きますし、工事の予定が早く決まれば、腕の良い職人さんを確保しやすくなります。
理由その4:【段取り命!】ややこしい手続きをサクサク進めたい!
- 確認申請以外にも、やるべきことは沢山あります
- 大きな土地だと開発許可や農地転用の手続きなど、確認申請の前後にも様々な許可が必要になることがあります。
- だから急ぐのです。全てをまとめて効率よく進め、時間短縮を図りたいのです!
- これらの様々な手続きと確認申請をうまく連携させ、プロジェクト全体のリードタイムを短縮したいというわけです。
理由その5:【お客さんのため!】待たせたくない!「早く住みたい!」に応えたい!
- お客さんにも、色々な事情がありますよね
- 「新しい生活を早く始めたい」「子供の入学までには引っ越したい」など、お客さんによって希望の時期は様々でしょう。
- だから急ぐのです。お客さんの期待に応えたいからです!
- 確認申請を早く終わらせることは、お客さんの「早く新しい家に住みたい」という気持ちに応えるための、重要な第一歩なのです。
スピード命!の裏には…「建売業界のリアル」と「ニッポン経済」の話
というわけで、 建売業者が確認申請を急ぐのは、 単に「早く早く!」と言っているのではなく、 事業を継続し、利益も確保するための、非常に合理的な理由があるのです。
もちろん、急ぎすぎて 図面が不正確だったり、書類に不備があっては意味がありません。 それは建売業者もよく分かっているはずです。
しかし、それでもやはりスピードが重要になるのが、 建売事業の、いわばそういう仕組みなのです。
そして、少し大きな話になりますが、 日本の建売事業は、良質な住宅を社会に供給するという、大切な役割も担っています。 多くの関連企業が関わり、雇用を生み出し、地域経済を活性化させています。 そういった活動は、巡り巡って日本経済全体を支えていると言っても過言ではないでしょう。
建売業者が事業を円滑に進め、 新しい住宅を供給し続けることは、 このように経済を循環させることにも繋がっているのです。
この記事を通じて、 建売業者がなぜあれほど確認申請を急ぐのか、 その背景にある経済的な事情や事業の実際、 そして社会にとっても意外と重要であるということが、 少しでも伝わったら大変嬉しいです。