2025年5月9日、五洋建設株式会社より2025年3月期の決算が発表されました!
この発表は、私たち建設・不動産業界に身を置く者にとって、今後の事業展開を考える上で重要なヒントが隠されているかもしれません。
本記事では、決算内容のポイントを分かりやすく解説し、そこから読み取れる業界の動きや、私たちがこれからどう動くべきか、一緒に考えていきましょう。
決算概要:売上はアップも、利益面ではちょっぴり課題あり? 国内建築はイイ感じ!
まずは、気になる五洋建設の連結業績とセグメント別の状況から、サクッと見ていきましょうか。
今期(2025年3月期)連結業績実績
- 売上高:7,274億9,100万円(前期比 17.8%増)
- 営業利益:216億9,700万円(前期比 25.6%減)
- 経常利益:188億3,900万円(前期比 30.8%減)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:124億6,000万円(前期比 30.3%減)
国内の土木・建築事業ともに手持ちの工事が順調に進んだことで、売上はグッと伸びました。
ただ、海外の建設事業で少し想定外のことがあり、利益面ではちょっぴり厳しい結果となったのは気になるところです。
セグメント別業績(2025年3月期実績)
- 国内土木事業
- 売上高:3,073億円(前期比 15.3%増)
- セグメント利益:278億円(前期比 0.2%減)
- 国内建築事業
- 売上高:2,545億円(前期比 34.5%増)
- セグメント利益:90億円(前期比 85.4%増)
- 海外建設事業
- 売上高:1,518億円(前期比 0.8%増)
- セグメント損失:156億円(前期は42億円のセグメント損失)
国内の建築事業がかなり好調なのは、注目ポイントですね!
配当について:株主んには嬉しいお知らせも!
そして、株主にとっては嬉しいお知らせ!五洋建設は株主還元にもかなり積極的なんですよ。
配当実績と予想
- 2024年3月期実績:年間配当金 24.00円
- 2025年3月期実績:年間配当金 24.00円(中間配当12.00円と合わせる)
- この期の連結配当性向は 54.5% です。
- さらに、50億円の自己株式取得と合わせると、連結総還元性向はなんと 94.6% になる見込みです!
- 2026年3月期予想:年間配当金 34.00円(中間配当17.00円、期末配当17.00円を予定)
- 予想連結配当性向は 38.5%。
- 加えて、中間期と決算期にそれぞれ約50億円、年間で約100億円の自己株式取得も予定しているとのこと。 これは期待しちゃいますね!
株主還元方針もパワーアップ!
同社は、資本コストや株価を意識した経営を実践するため、2025年度から3年間を「企業価値向上の促進期間」と位置づけて、株主還元の目標を更新しました。
- 新たな目標:
- 連結配当性向 35%以上
- 自己株式取得 約300億円(2025年度から3年間で、毎年度約100億円を予定)
以前の目標(連結総還元性向40%以上) からも、かなりパワーアップしていて、株主想いな姿勢がうかがえますね!
建設・不動産業界への示唆:コスト高と成長分野、どう乗り切る?
さて、この五洋建設の決算から、私たち建設・不動産業者はどんなヒントを得て、どう動けばいいんでしょうか? いくつかポイントを絞って考えてみましょう。
1. 国内市場の動向と建設コスト、ここがキモ!
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公共投資と民間設備投資は、まだまだ元気!: 国内では、国土強靱化対策や防衛関連のインフラ整備など、しっかりとした公共投資が続きそうです。 それに加えて、経済安全保障やカーボンニュートラルといった流れから、データセンターや物流施設、都市の再開発などの民間設備投資も活発な様子。 これは私たちにとって、ビジネスチャンスの波が来ているってことかもしれませんね!
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でも、建設コストの上昇は引き続き要注意!: 一方で、建設資材の値段がなかなか下がらなかったり、人手が足りなくて労務費が上がったりと、コスト面での悩みは尽きません。 五洋建設も「協力会社や取引先と一体になってサステナブルな建設事業活動を推進」 し、「フロントローディングの取組みにより、事業量の拡大を利益の拡大に繋げてまいります」 と言っているように、上手なコスト管理と仕事の効率アップがますます大事になってきます。 不動産業者のみなさんも、こうしたコストアップを頭に入れた事業計画や価格設定が必要になってきそうですね。
2. どこで稼ぐ?成長分野とリスク管理のバランス感覚
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大きな仕事と「得意技」が光る!: 五洋建設の国内建築事業では、データセンターや防衛施設といった大きな工事の受注が業績をグイっと押し上げました。 やっぱり「コレだ!」っていう得意分野を磨いて、大きな仕事にも対応できる力を持つことが、一歩リードするためには大切ってことですね。
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海外進出は、夢もあるけどリスクもね: 海外に打って出るのは大きな成長のチャンスですが、五洋建設の例を見ても分かる通り、その土地ならではのリスクや、思わぬコスト増も覚悟しないといけません。 海外に挑戦するなら、石橋を叩いて渡るくらいの慎重さが求められそうです。
3. 来期(2026年3月期)の予測から、未来を読む!
五洋建設が示している来期(2026年3月期)の連結業績予想は、こんな感じです。
来期(2026年3月期)連結業績予想
- 売上高:7,270億円(2025年3月期実績とほぼ同じくらい)
- 営業利益:395億円(2025年3月期実績から、なんと 82.0%増!)
- 経常利益:360億円(2025年3月期実績から 91.1%増!)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:250億円(2025年3月期実績から 100.6%増!すごい!)
これは、かなり期待大なV字回復って感じですね! 特に、赤字だった海外事業が黒字に転換する見込みであることや 、国内の大きな工事が順調に進むことがポイントのようです。
業界全体としても、今のコスト高を乗り越えつつ、計画されている大きなプロジェクトをきっちり進めていけば、収益も上向いてくるかもしれない、そんな明るい兆しが見えてきたって言えるかもしれません。
まとめ:変化をキャッチして、賢く進もう!
というわけで、五洋建設の2025年3月期決算、いろいろ見えてきましたね。 まさに、今の建設・不動産業界のリアルな姿がギュッと詰まっている感じです。
建設コストアップという向かい風はまだ続きそうですが、国内の建設ニーズはまだまだ熱い! これは追い風ですよね。
私たち建設・不動産業者としては、こういう状況をしっかり頭に入れて、
- コスト管理と生産性アップには、引き続き真剣に取り組んでいきたいですね!
- データセンター、物流施設、再生可能エネルギー関連など、これから伸びそうな分野へのチャレンジも視野に入れたいところです。
- やっぱり「得意技」を磨いて、技術力を高めていくことも欠かせません。
- そして、リスク管理のアンテナも、常に高く張っておくことが、やっぱり大事です。
今回の五洋建設の動きをヒントに、自分たちの会社のこれからを考える、そんな良いきっかけにしてみてはいかがでしょうか!