こんにちは!
「建築設備士」と「設備一級建築士」。
どちらも建物の”快適さ”を支える大切な資格ですが、名前が似ていて、違いが分かりにくいですよね。
「どっちが、どうスゴいの?」 「役割って、どう違うの?」
そんなモヤモヤを、この記事で一気に解消します!
誰でもわかるように、最高の旅行プランを立てるプロに例えてみました。
さあ、始めましょう!
結論:役割は「現地ガイド」と「ビザの審査官」!
時間がない方のために、まず結論から! この2つの資格の違いは、旅のプロに例えるのが一番わかりやすいんです。
🗺️ 建築設備士 = 頼れる「現地ガイド」
旅のプランナー(=建物の設計をする一級建築士)に、 「このエリアなら、この交通手段がベストですよ!」 「隠れた名店はここです!」 と、専門的なアドバイスをしてくれる、知識豊富なプロです。
🛂 設備一級建築士 = 旅の許可を出す「ビザの審査官」
そもそも、その国(=特に大きな建物)に入国できるかどうか。 必要な書類(=設計図)を厳しくチェックして、「入国OK!」の許可(ビザ)を発行する、絶対的な権限を持つ人です。
この審査官の許可がなければ、旅は始まりません。
建築士法をのぞいてみよう!
この「役割の違い」は、建築士法でハッキリ決められています。 ちょっとだけ、条文をのぞいてみましょう。大丈夫、わかりやすく解説します!
① 建築設備士 – 頼れる『現地ガイド』の役割 🗺️
まずは、現地ガイドである「建築設備士」のルールから。
【建築士法 第18条 第4項】
建築士は、延べ面積が2000㎡を超える建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合においては、建築設備士の意見を聴くよう努めなければならない。
ただし、設備設計一級建築士が設計を行う場合には、設計に関しては、この限りでない。
【超カンタン訳】
言葉は難しいですが、要はこうです。
「建物の設計や工事監理をする人は、設備のプロ(建築設備士)のアドバイスを聞くように頑張ってね!」
ポイントは「努めなければならない(頑張ってね!)」という部分。
これは「努力義務」という、強い推奨です。 法律が名指しで「この人のアドバイスは聞いたほうがいいよ!」と推薦している、ということですね。
② 設備一級建築士 – 許可を出す『ビザの審査官』の役割 🛂
次に、ビザの審査官である「設備一級建築士」のルールです。 こちらは「推奨」ではなく、「絶対ルール」になります。
【建築士法 第20条の3】
1 設備設計一級建築士は、階数が3以上で床面積の合計が5000㎡を超える建築物の設備設計を行つた場合においては、第二十条第一項の規定によるほか、その設備設計図書に設備設計一級建築士である旨の表示をしなければならない。設備設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
2 設備設計一級建築士以外の一級建築士は、前項の建築物の設備設計を行つた場合においては、国土交通省令で定めるところにより、設備設計一級建築士に当該設備設計に係る建築物が建築基準法第28条第3項、第28条の2第三号(換気設備に係る部分に限る。)、第32条から第34条まで、第35条(消火栓、スプリンクラー、貯水槽その他の消火設備、排煙設備及び非常用の照明装置に係る部分に限る。)及び第36条(消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに煙突及び昇降機の構造に係る部分に限る。)の規定並びにこれらに基づく命令の規定(以下「設備関係規定」という。)に適合するかどうかの確認を求めなければならない。設備設計図書の一部を変更した場合も同様とする。
3 設備設計一級建築士は、前項の規定により確認を求められた場合において、当該建築物が設備関係規定に適合することを確認したとき又は適合することを確認できないときは、当該設備設計図書にその旨を記載するとともに、設備設計一級建築士である旨の表示をして記名しなければならない。
【超カンタン訳】
非常に長い条文ですが、ポイントは同じです! 「すごく大きな建物の設備は、絶対に専門家のチェックを受けてね!」 そして、そのための「絶対ルール」が2パターン書かれています。
・もし専門家(設備一級建築士)自身が設計したら… →「私が責任をもって設計しました!」という表示(サイン)を必ず入れること!
・もし他の建築士が設計したら… → 必ず専門家(設備一級建築士)にチェックをお願いすること! → お願いされた専門家は、結果を必ず図面に書いてサインすること!
「頑張ってね!」だった建築設備士と違い、こちらは「〜しなければならない(絶対やってね!)」という、非常に厳しいルール。まさしく、ビザを発行する審査官のような、重い責任と権限を持っているのです。
まとめ:ひと目でわかる違いの比較表
最後に、2つの資格の違いを一枚の比較表にまとめました!
これで、もうスッキリですね!
快適で安全な建物は、こうした異なる役割を持つプロたちの、素晴らしいチームワークによって支えられています。