こんにちは!
今回は、
2025年7月8日に発表された、ERIホールディングス株式会社(証券コード: 6083)の2025年5月期の連結決算短信を一緒に見ていきましょう 。
この決算書は、私たちの業界がこれからどう変わっていくのか、大切なヒントをたくさん教えてくれていますよ!
ERIホールディングスの最近の業績はどうだった?
ERIホールディングスは、2024年6月1日から2025年5月31日までの1年間で、
素晴らしい業績を出しました 。
売上高は197億6千5百万円で、前の年より9.7%増えました 。利益も増えていて、会社全体として順調に成長していることが分かりますね 。
2025年5月期(2024年6月1日~2025年5月31日)
- 売上高: 19,765百万円
- 営業利益: 2,045百万円
- 経常利益: 2,076百万円
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 1,293百万円
【予想】2026年5月期(2025年6月1日~2026年5月31日)
- 売上高: 22,700百万円(今期比14.8%増の予想)
- 営業利益: 2,800百万円(今期比36.9%増の予想)
- 経常利益: 2,800百万円(今期比34.8%増の予想)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 1,700百万円(今期比31.4%増の予想)
事業の分野別に見てみると、特に目を引く点があります。
- 確認検査や住宅性能評価の事業
- この分野は、少し売上が減っています 。これは、建築確認に係る売上の減少などが関係しているのかもしれません 。
- ソリューション事業
- ここが大きく伸びています!売上高が前の年より64.6%も増えて、利益も82.2%増えています 。
- なぜこんなに伸びたかというと、ERIホールディングスが新しい会社をいくつか仲間に加えたからです 。
株式会社福田水文センター、国土工営コンサルタンツ株式会社、そして株式会社花田設計事務所がグループに入ったことで、新しい分野での仕事が増えたんですね 。
具体的な業務内容: この事業では、主に不動産の取引に関わる「エンジニアリングレポートの作成」や、法律を守っているかを調べる「遵法性調査(デューデリジェンス)」、建物を壊さずに調べる「非破壊検査(インスペクション)」、そして「建設コンサルタント」の仕事などをしています 。新しくグループになった会社も、水に関する調査分析やインフラの計画設計(福田水文センター) 、橋や建物の設計・点検やBIM/CIMモデリング(国土工営コンサルタンツ) 、プラント設備のBIMモデリングや3D測量(花田設計事務所) といった専門性の高い業務を行っています。
- その他の事業
- 売上高は前の年より4.9%増えましたが 、会社を仲間に加えるためのお金などがかかったため、利益は少し減っています 。
具体的な業務内容: この分野では、主に建築物の省エネルギー性能を評価したり、低炭素建築物の技術的な審査をしたりする「環境関連の検査」 、住宅の欠陥保険に関わる検査や、住宅ローン(フラット35など)の審査・適合証明といった「金融検査」も行っています 。
建築・不動産業界の私たちが知っておくべきこと
このERIホールディングスの決算から、建築・不動産業界の私たちが特に注目すべきポイントがいくつか見えてきます。
- 新しい仲間を増やすこと(M&A)が大事!
- ERIホールディングスは、「事業の範囲を広げる」ことを目標にして、積極的に新しい会社をグループに入れています 。
- 特に、土木や環境に関わる分野、そして「BIM/CIM」というデジタルの技術に関わる会社を増やしているのは注目すべき点です 。
- これからの時代、一つの分野だけでなく、様々な分野で対応できる力をつけることが大切だというメッセージですね。
- 法律の変更とデジタルの活用に素早く対応する!
- 2025年4月には、脱炭素社会に向けた重要な施策である改正建築基準法が施行されました 。
- ERIホールディングスは、この新しい法律によって手続きが複雑になることに対して、しっかり対応していくと話しています 。
- また、先ほどの「BIM/CIM」のように、デジタルの技術を使って仕事を効率良くしたり、新しいサービスを作ったりすることにも力を入れています 。
- これからは、新しい技術をどれだけ早く、上手に取り入れられるかが、会社の強みになるでしょう。
- 「今ある建物」をもっと大切にする時代へ!
- ERIホールディングスは、決算発表の後にも、株式会社タイトー建築・設備検査センターという会社をグループに迎え入れています 。
- この会社は、今ある建物の設備を定期的にチェックしたり、安全を確認したりする専門家です 。
- 新しい建物をたくさん建てるだけでなく、今ある建物を長く安全に使うためのメンテナンスや検査の需要が、これからもっと増えていくということです。
これから建築・不動産業界の私たちはどうすべきか
ERIホールディングスの決算と彼らの動きを見ると、私たちの業界がこれから目指すべき方向性が分かります。
- 得意なことを伸ばしつつ、新しいことにも挑戦する
- 自分の会社の得意な分野をさらに強くしながら、ERIホールディングスのように、関係する新しい分野にも目を向けてみましょう。
- 異業種との協力や、M&Aも一つの方法です。
- 変化を恐れず、新しい技術を取り入れる
- 法律が変わったり、新しい技術(デジタル技術など)が出てきたりしても、それをチャンスと捉えて積極的に学び、会社の仕事に取り入れていきましょう。
- 「今あるもの」の価値を高める
- 新しい建物の需要が落ち着いてきている今、古い建物のリノベーションや、定期的なメンテナンス、安全確認のサービスなど、「今ある建物」をより良く、長く使うためのサービスに力を入れることが、これからの安定した経営につながるかもしれません。
最後に
ERIホールディングスの決算は、単なる数字の報告ではありません。これからの建築・不動産業界のトレンドや、私たちがどう変化していくべきかを示唆する、大切な情報源です。
この情報を参考に、皆さんのビジネスがさらに発展することを願っています!