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【決算速報】清水建設2026年3月期【第1四半期】 この決算から何を学ぶ?

本日、2025年7月29日、清水建設(証券コード: 1803)が2026年3月期 第1四半期の連結決算を発表しました

建設業界は資材や人件費の高騰で大変な状況が続いていますが、清水建設はなんと大幅な増益を達成しました

今期の業績(2025年4月1日~2025年6月30日)はまさに「V字回復」!

清水建設の売上高は、前の年と比べて

10.2%もアップして、4,417億9,900万円になりました 。これは、手掛けている大きな工事が滞りなく進んだおかげです

そして、利益は驚くほどの伸びを見せました。

  • 営業利益:なんと874.7%増の172億5,000万円!
  • 経常利益:これも204.2%増の184億9,600万円!
  • 最終利益(親会社株主に帰属する四半期純利益):こちらも362.1%増の111億2,800万円と、大幅なプラスです!

この大きな利益アップは、売上が増えたことに加えて、

工事の採算が良くなったこと、そして開発した物件をうまく売却できたことが主な理由です

1株あたりの利益も16円33銭となり、前の年の3円41銭から大きく改善しています

会社の体力(財政状態)もさらに強化!

2025年6月30日時点での会社の全財産(総資産)は2兆4,267億6,800万円でした
これは前期末より970億円減りましたが、これは現金預金や未回収の工事代金が減ったためです

注目すべきは、純資産が9,292億7,600万円と前期末から54億円増え 、自己資本比率が35.7%にアップしたことです!
自己資本比率が上がると、会社の体力が増して、もしもの時にも安心です
これは、持っている株の評価額が上がったことなどが影響しています

また、借金(連結有利子負債)も344億円減りました

今後の見通しと配当は?

清水建設は、2026年3月期全体(通期)の業績予想について、5月14日に発表した内容から変更はないとしています

  • 売上高:1兆9,100億円(前の期より1.8%増える見込み)
  • 営業利益:780億円(前の期より9.8%増える見込み)
  • 経常利益:730億円(前の期より1.9%増える見込み)
  • 最終利益:750億円(前の期より13.6%増える見込み)

配当については、2026年3月期の年間配当金は、中間配当と期末配当を合わせて

合計44円00銭の予定です 。これも変更はありません

この決算から学ぶべき3つのこと!

今回の清水建設の好決算は、現在の厳しい市場環境でも成功するためのヒントをたくさん含んでいます。

  1. 「稼ぐ力」の強化が最重要!清水建設が大きく利益を伸ばしたのは、工事の利益率を改善したこと、そして開発事業でしっかりと利益を出したからです 。これからの建築・不動産業界では、ただ多くの仕事を取るだけでなく、いかにコストを抑え、高付加価値な物件を作り、良いタイミングで売却できるかがカギになります。
    資材費や人件費が高止まりする中で、「どうすればもっと稼げるか」を常に考え、実行していく必要があります。
  2. 大きなプロジェクトを「確実に」やり遂げる力!清水建設の売上増は、大規模な工事が順調に進んだことが大きく影響しています
    これは、複雑な大規模プロジェクトをスムーズに進める「プロジェクト管理能力」が、会社の競争力を決める重要な要素であることを示しています。
    資材の調達や人手の確保など、サプライチェーン全体を安定させるための工夫が、ますます求められます。
  3. 「会社の体力」をつけ、備える!自己資本比率の改善は、清水建設が財務的に健全であることを示しています
    市場が不安定な時こそ、しっかりとした財務基盤は会社を守る盾になります。
    借金を減らし(清水建設も有利子負債を減らしています
    )、自己資金を増やすことで、予期せぬ事態にも対応でき、新しいビジネスチャンスを掴む余裕も生まれます。

現在の建設業界は、海外経済の不確実性や国内の資材・エネルギー価格の高騰、人件費の上昇など、課題が山積しています
私たちは、金利や為替、政策の動き、そして建設コストの動向を常に注意深く見て、柔軟に戦略を調整していくことが大切です。

まとめ

清水建設の2026年3期第1四半期決算は、売上も利益も大きく伸び、特に利益面では素晴らしい結果を出しました

これは、工事の採算改善、開発事業の成功、そして財務体質の強化がその背景にあります

私たちは、清水建設のこの好業績から、厳しい経営環境の中でも利益を生み出すための戦略や、盤石な財務基盤の重要性を学ぶことができるでしょう。