2025年8月8日、スーパーゼネコンの
大林組が2026年3月期 第1四半期決算(2025年4月〜6月分)を発表しました 。
結論から言うと、この3ヶ月間は「売上は減ったが、営業利益(本業の利益)は増えた」という結果です。
この一見不思議な結果は、今の建設・不動産業界が抱えるコスト増や人手不足といった課題を乗り越えるための、大きなヒントになります。
ポイントを3分で理解できるように解説します。
数字で見る第1四半期のポイント
まずは、この3ヶ月間(第1四半期)の重要な数字を見てみましょう 。前年の同じ時期と比べて、こうなりました。
売上は約480億円減りましたが 、本業の儲けを示す
営業利益は逆に4億円増えています 。なぜ、こんなことが起きたのでしょうか?理由は大きく2つあります。
なぜ?第1四半期に売上が減り「営業利益」が増えた2つの理由
理由① 国内事業:「量より質」の受注戦略 🎯
今回の減収の主な原因は、国内の建築事業です。
- 大型工事の反動減:前年の同じ時期に大きな工事が終わった影響がありました 。
- 計画的な受注:これが最大のポイントです。決算資料には「施工キャパシティに見合った計画的な受注活動を行ったこと」とあります 。つまり、
儲かる案件を意図的に選んで受注したのです。
会社の体力を考え、利益率を重視する「選択と集中」がうまくいった、ということです。
理由② 海外事業:絶好調で利益をカバー ✈️
国内の売上減をカバーしたのが、好調な海外事業でした。
- 特に海外の土木事業は、持っていた工事が順調に進み、売上・利益ともに大幅にアップしました 。
- 海外土木 営業利益:22.7億円(前年同期の8.2億円から約2.7倍に増加)
国内だけでなく海外にも事業の柱を持つことで、経営が安定していることが分かります。
【明日からできる】建設・不動産業者が学ぶべき3つのこと
この第1四半期決算から、私たちが学ぶべきことは何でしょうか?明日からの経営に活かせる3つのヒントをまとめました。
1. 「利益率」を最優先する
大林組のように、自社の能力を把握し、儲かる仕事を見極めることが重要です。安易な価格競争はもうやめましょう。技術力や提案力をしっかり価格に反映させ、利益を出す経営が生き残るカギです。
2. 財務の「守り」を固める
大林組は、会社の財務健全性を示す
自己資本比率を38.8%に高めています 。これは、未来の不景気やリスクへの備えです。手元の現金を増やし、借金を減らすなど、会社の守りを固める意識がこれまで以上に求められます。
3. 「収益の柱」を複数持つ
海外展開は難しくても、事業の多角化は考えられます。例えば、
- 新築工事だけでなく、リフォーム事業を強化する。
- 不動産仲介だけでなく、管理業務にも力を入れる。
このように、自社の強みを活かせる分野で、収益の柱をもう一本育てられないか検討してみましょう。
まとめ:これからの時代は「規模」より「利益」
大林組の第1四半期決算が示したのは、「会社の規模(売上)の大きさよりも、どれだけ賢く利益を稼げるかが重要」という、これからの時代のシンプルな答えです。
この学びを自社の経営に活かし、厳しい環境を乗り越えていきましょう。