「売上は減ったのに、営業利益は2倍以上になった」
2025年8月8日に大成建設が発表した第1四半期決算は、この一言に集約されます 。
この驚きの決算が、あなたのビジネスにどう関わるのか。
明日から役立つ3つの教訓に絞って解説します。
数字で見る!大成建設の1Qハイライト
まず、難しい話は抜きにして、結果だけを見てみましょう。
- 売上高: 4,403億円 (去年より3.7%減)
- 営業利益: 392億円 (去年より109.1%増!)
- 経常利益: 411億円 (去年より46.4%増)
- 純利益: 295億円 (去年より26.3%増)
つまり、「売上は少し減ったけれど、事業の儲けはものすごく増えた」ということです。
なぜ?「減収増益」を達成できた3つの事業
この好業績を支えたのは、各事業の「利益率の改善」です。
① 建築事業:売上減でも利益は180%増
売上は14.8%減少したものの、利益は大きく増加しました 。これは、売上規模よりも一つ一つの工事の「採算性」を重視した結果です 。
② 土木事業:売上も利益も大幅アップ
売上は9.9%増加し、利益も95.9%増と絶好調でした 。こちらも、利益率が大きく改善したことが好調を支えました 。
③ 開発事業:不動産が力強く牽引
不動産開発も非常に好調で、売上は58.4%増、利益は2倍以上(108.8%増)になりました 。
【最重要】私たちが明日からすべき3つのこと
この決算から、私たちは何を学ぶべきでしょうか。明日からの行動指針となる3つのポイントを提案します。
1. 戦略を「売上規模」から「利益額」へシフトする
大成建設の例が示す通り、今は無理に売上を追うべき時ではありません。大切なのは「いかに利益を残すか」です。
アクション: 案件ごとの採算性を今まで以上に厳しくチェックし、利益の出る仕事にリソースを集中させましょう。
2. 「儲かる市場」を見極め、そこに集中する
建設需要は全体として堅調ですが、分野によって明暗が分かれる可能性があります 。
アクション: どの分野が今後も伸びるのかを常に見極め、自社の強みを活かせる市場へ戦略的に参入しましょう。
3. 「建設+α」の収益源を育てる
大成建設の開発事業のように、建設一本足打法からの脱却が企業の安定性を高めます 。
アクション: 不動産開発や異業種との連携など、既存事業の周辺に新しい収益の柱を作ることを今から検討してみましょう。
まとめ
大成建設の決算が示すのは、「利益重視」という業界の新たなスタンダードです。
同社が強気な通期予想を崩していないのも、この収益力への自信の表れでしょう 。
この変化の波をチャンスと捉え、自社の経営戦略を見直すきっかけとしてみてはいかがでしょうか。