設計事務所の用途別売上高 息を吹き返した倉庫・物流施設、暗雲の事務所 https://t.co/QI3jOpIKaN
— いしいさん【建築基準法コンサルタント】 (@ishiisans) September 10, 2025
日本の建築設計事務所の2024年度の決算が発表され、業界に大きな変化の波が押し寄せていることが明らかになりました。
これまで安定していた分野が停滞する一方、新たな需要が急成長しています。一体何が起きているのでしょうか?
好調!倉庫・物流施設が業界を牽引
今回の決算で最も注目すべきは、倉庫・物流施設の驚異的な伸びです。前年度比でなんと32.4%増を記録しました。
これは、EC(電子商取引)の拡大や物流システムの効率化が求められる中で、企業の投資が活発になっていることを示しています。
特に、以下の2社が大きな成長を遂げています。
- パシフィックコンサルタンツ:80.2%増。民間鉄道会社の車両基地のような大規模な案件が業績を押し上げました。
- プランテック:1859%増。国内外のデータセンターの設計業務を数多く受注し、売上が爆発的に増加しました。
スポーツ施設も好調、一方でオフィスは停滞
倉庫・物流施設に次いで好調だったのがスポーツ施設です。前年度のマイナスから一転、20.2%増と大きく回復しました。
一方で、これまでの成長を支えてきた分野に陰りが見え始めました。
- 事務所:5.6%減。テレワークの普及が本格的に影響し、オフィス需要が減少傾向にあるようです。
- 医療施設:4.9%減。こちらも4年ぶりのマイナス成長となりました。
業界の勢力図にも変化が
この新しいトレンドは、各企業の業績ランキングにも大きな影響を与えています。
- プランテックは、前回の31位から4位へと大きく順位を上げました。
- 大建設計も3桁増を記録し、5位にランクインしています。
まとめ:業界は転換期へ
2024年度の決算は、建築設計業界が大きな転換点を迎えていることを示しています。
これまでの主力だったオフィスや医療施設から、倉庫・物流施設やデータセンターといった新しい分野へ、需要の軸がシフトしているのです。
この流れは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やサプライチェーンの見直しといった社会全体の変化と密接に関わっています。
今後、どの企業がこの新しい波に乗り、成長を続けられるかが注目されます。