【建築士の見解】空き家問題は、解決できるの?【結論:現状は難しい。】

こんにちは。建築士のいしいさん(ishiisans)です。

空き家問題、どんどん広がっています。

なにか解決策がないか、いつも考えています。

リノベーションして、活用すればいいじゃん!って思う人もいるでしょう。

ぼくもリノベーションは好きです。古いものと新しいものが組み合わさって唯一無二の空間ができるからです。

しかし
リノベーションは、根本的な問題解決にはなりません。

理由は、以下の3つです。
・内装をいくらキレイにしても、躯体や設備は劣化しているから。
・リノベーションのコストを回収できるか不透明。
・いづれまた同じ問題が発生する。

つまり、言い方は悪いですが、リノベーションは問題を「先延ばし」しているだけなのです。

では、どうしらいいのか。考えてみました。

そもそも空き家問題の「なにが」問題なのか?

ずばり、周辺への悪影響です。

たとえば、
・防犯上の不安
・景観上の支障
・災害時の倒壊
などです。

つまり、使っていない建物があるからダメなんじゃない?解体すればいいじゃん!って思いませんか?

しかし、解体されずに放置されてしまう理由があります。

放置されてしまう2つの理由

①そもそも解体費が払えない。

木造の戸建て住宅で、条件によりことなりますが、大体1㎡あたり1.5~2万円かかります。なので、100㎡の家なら、100×1.5~2万円≒200万円くらいかかります。

何も生まないものに、こんなお金払いたくないですよね?
というか、こんな大金払えません。

②更地にしたら、固定資産税が6倍になる。

建物を壊して更地にすると、固定資産税が6倍になってしまいます。

つまり、建物が建ってた方が、税金が安くなるのです。

誰でも税金は、安い方がいいです。よって建物は解体されず、放置されてしますのです。

解決法を考えてみた。

以下の3つです。

①更地にしても、固定資産税は変わらない。
②解体費を、積み立てしておく。
③住宅の戸数を、制限する。

①更地にしても、固定資産税は変わらない。

建物を解体して、更地にしても、固定資産税が変わらなければどうでしょう?
解体する人が増えると思いませんか?
こうすれば、ある程度は空き家が減るでしょう。

(※固定資産税は、市町村の安定した税収になります。なので、税収が減るようなことはしたくないはずです。よって、この方法は、難しいです。)

②解体費を、積み立てしておく。

建物も人間と同じで、いつか必ず寿命がきます。つまり、解体しなければならない時がきます。また、解体費はめちゃくちゃ高いです。いきなり準備できるものではありません。

なので、建物を所有するときから、計画的に解体費を積み立てするのです。

そうれば、なんとか解体費を出すことができます。

さらに、①の方法が現実になれば、おのずと空き家は減っていくはずです。

③住宅の戸数を制限する。

行政が、住宅の戸数を制限するのはどうでしょう?

そうすれば、そもそも住宅が増えすぎないので、空き家問題には発展しません。
むしろ、中古物件が循環していくので、持続的なまちの発展に繋がります。

じつは、ヨーロッパやアメリカではこのような政策がとられています。
なので、中古住宅が流通し、空き家問題にはならないのです。

さいごに

ぶっちゃけ、空き家問題を解決するのは、いまのままでは難しいです。

でも、どうにかしないといけない問題です。

このブログを読んでくださったあなたも、きっとぼくと同じように、空き家問題に興味があるはず。

なにかいいアイディアがないか、一緒に考えましょう!
そして、希望の持てる未来を作っていきましょう!

また、意見がある人は、コメント欄に書いて下さいね!

さいごまでお読みいただきありがとうございました。