【違い】兼用住宅と併用住宅【結論:行き来できるか】

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先日、R3年度の二級建築士の製図試験の課題が発表されました。
課題は、「歯科診療所併用住宅」です。
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では、ここで問題です。

併用住宅とは、どういう住宅わかりますか?

 

また、似た言葉で、兼用住宅というのもあります。どういう住宅かわかりますか?

 

違いはわかりますか?

 


 

ということで、今回は、

兼用住宅」と「併用住宅」の違いについて解説していきます。

 

結論としては、

兼用住宅→内部で行き来
併用住宅→内部で行き来不可

です。

 

また、これらの住宅には、注意点があります。それは、用途地域です。

兼用住宅→第一種低層住居専用地域で建築OK
併用住宅→第一種低層住居専用地域で建築NG

なのです。

 

では、解説していきます。

 

 

いしいさん
たがか二文字、されど二文字

 

 

「兼用住宅」と「併用住宅」の違い

上記の図が、兼用住宅です。
上記の図が、併用住宅です。

 

違いはどこでしょう?

 

そうですね。

 

兼用住宅→内部で行き来
併用住宅→内部で行き来不可

つまり、内部で行き来ができるか、できないかの違いだけです。

 

 

いしいさん
行き来できるか、できないか。

見た目の違いは、これだけです。

 

なーんだそれだけ?って思いますよね。

 

しかし、超重要なことがあります。
それは、用途地域です。
具体的に言うと、「第一種低層住居専用地域で建築できるかどうか」が変わってくるのです。

 

 

 

いしいさん
「用途地域」注意!

 

第一種低層住居専用地域に建築できるもの

第一種低層住居専用地域内に建築することができるものは、法別表第2(い)項に書いてあります。

そこの第二号を見ていきます。

二 住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの

〇令130条の3

 

解説

住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねると書いてありますよね?

 

つまり、この二号は、「兼用住宅」のことを言っているのです。

 

また、この時点で、「併用住宅」は第一種低層住居専用地域内には建築NGと判断することができます。
理由は、法別表(2)項に書かれていないからです。

 

 

いしいさん
併用住宅は、書かれていないから一低層には建築NG

 

 

では次は、

第一種低層住居専用地域内に建築することができる「兼用住宅」の条件を見ていきます。

これは、政令(令130条の3)に書いてあります。

 

令130条の3(第一種低層住居専用地域内に建築することができる兼用住宅)

別表第2(い)項第二号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第1項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める住宅は延べ面積の1/2以上を居住の用途に供しかつ次の各号のいずれかに掲げる用途を兼ねるもの(これらの用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えるものを除く。)とする。

一 事務所
二 日用品の販売を主たる目的とする店舗又は食堂若しくは喫茶店
三 理髪店、美容院、クリーニング取次店、質屋、貸衣装や、貸本屋その他これらに類するサービス業を営む店舗
四 洋服店、畳屋、建具屋、自転車店、家庭電器具店その他これらに類するサービス業を営む店舗(原動力を使用する場合にあつては、その出力の合計が0.75kw以下のものに限る。)
五 自家販売のために食品製造業(食品加工業を含む。以下同じ。)を営むパン屋、米屋、豆腐や、菓子屋その他これらに類するもの(原動機を使用する場合にあつては、その出力の合計が0.75kw以下のものに限る。)
六 学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類する施設
七 美術品又は工芸品を製作するためのアトリエ又は工房^(原動機を使用する場合にあつては、その出力の合計が0.75kw以下のものに限る。)

※一部省略

 

解説

黄色//の3色マーカーをしてみました。

 

この3色でマーカーをしたところが、
第一種低層住居専用地域で建築することができる「兼用住宅」の3つの条件なのです。

 

では、この3つの条件をまとめると

延べ面積の1/2以上を居住の用途に供し
次の各号のいずれかに掲げる用途を兼ねるもの
これらの用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えるものを除く。

となるのです。

 

もっと簡単に言っちゃうと、

延べ面積の1/2以上が住宅で、兼用部分の面積が50㎡以下であればOK

なのです。

 

では、たとえば、以下の場合は、第一種低層住居専用地域内に建築することができるでしょうか?

・兼用住宅
・延べ面積120㎡
・兼用部分の床面積30㎡
・住宅部分の床面積90㎡

 

答えは、建築OKです。

 

理由は以下の通りです。
・住宅部分の床面積90㎡≧延べ面積120㎡×1/2=60㎡
・兼用部分の床面積30㎡≦50㎡
よって、建築OKとなるのです。

 

 

 

いしいさん
延べ面積の1/2以上が住宅で、兼用部分の面積が50㎡以下であればOK

 

さいごに

兼用住宅」と「併用住宅」の違いについてでした。

 

結論は、

兼用住宅→内部で行き来
併用住宅→内部で行き来不可

 

また、注意点は、

兼用住宅→第一種低層住居専用地域で建築OK
併用住宅→第一種低層住居専用地域で建築NG

です。

 

たった二文字の違いでしたが、建築基準法的にはめちゃくちゃ違ってきます。

たかが二文字、されど二文字です。

 

こういう言葉の違いにも気を配りましょうね!

 

さいごまでお読みいただきありがとうございました。
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