【条文だけでは難しい】「大規模の修繕」と「大規模の模様替」の違い【根拠あり】

お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。
いつもこのブログを読んでいただきありがとうございます。

 

今回は、【条文だけでは難しい】「大規模の修繕」と「大規模の模様替」の違い【根拠あり】
について解説していきます。

 

結論としては、

大規模な修繕 ・・・主要構造部の1種類以上の過半について、従前と同じ仕様で元の状態に復元させること。
大規模の模様替・・・主要構造部の1種類以上の過半について、従前とは異なる仕様で造り替えること。

です。

 

ちなみに、「大規模な」という定義は、建築基準法に書かれています。
しかし、ぶっちゃけ、「修繕」模様替」の定義は、建築基準法には書かれていません。

 

これらは、
・各行政の取扱い
・通達
・建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例
などに書かれています。

 

 

では、解説していきます。

 

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予備知識

「大規模な修繕」、「大規模な模様替」の条文を読んでいくと、主要構造部という言葉が出てきます。

このことについては、こちら↓にまとめてあります。

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簡単に言うと、主要構造部とは
・壁
・柱
・はり
・屋根
・階段
のことです。

まずは、このことを頭に入れておいてくださいね。

 

では、「大規模な修繕」、「大規模な模様替」の条文を見ていきます。

 

いしいさん
予備知識OK?

大規模の修繕

法第2条第十四号です。

大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

 

解説

大規模のとは?

「主要構造部の一種以上について行う過半の」

を示しています。

 

これは、条文からわかりますよね。

 

 

では、修繕の定義はどうなっているのでしょうか?

国土交通用のHPには、以下のようになっています。

修繕とは?

経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材料、形状、寸法のものを用いて原状回復を図ることをいいます。
よって、まとめると
大規模の修繕とは?
主要構造部の1種類以上の過半について、従前と同じ仕様で元の状態に復元させること。
となるのです。
いしいさん
同じ仕様じゃなきゃだめ!

大規模な模様替

法第2条第十五号です。

大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。

 

解説

大規模のとは?

「主要構造部の一種以上について行う過半の」

を示しています。

 

これは、条文からわかりますよね。

 

 

では、模様替えの定義はどうなっているのでしょうか?

国土交通用のHPには、以下のようになっています。

模様替とは?

・模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造することをいいます。一般的に改修工事などで原状回復を目的とせずに性能の向上を図ることをいいます。
よって、まとめると
大規模の模様替とは?
主要構造部の1種類以上の過半について、従前とは異なる仕様で造り替えること。
となるのです。
いしいさん
異なる仕様でOK!

大規模となる過半の判断

条文だけで判断するのは、難しいです。😢

 

なので、愛知県の取扱いを見てみます。

過半の算定は、階ごとにするものではなく、1棟の建築物全体について当該主要構造部の種別ごと
にするものである柱やはりにあっては、それぞれの総本数に占める割合壁にあっては、その総延長に占める割合床や屋根にあっては、それぞれの総水平投影面積に占める割合階段については、その総数に占める割合により過半か否かの算定をすることを原則とする。
また、屋根、壁、床の三種以上にわたる修繕であっても、いずれも過半にならなければ、「大規模」には該当せず、どれか一種類でもその過半の修繕を行えば「大規模」ということになる。
具体的には、屋根葺材である瓦を再度、瓦に葺き替える工事は「修繕」であり、葺替部分が半分を
超えれば「大規模の修繕」となり、半分以下の場合には単なる「修繕」となる。
なお、「大規模の修繕」、「大規模の模様替」に係る面積は、原則として、当該工事を行う階の床面積の合計とする。

 

つまり、簡単にまとめると

①過半は、階ごとではなく、建築物全体で考えること。
②柱やはりは、それぞれの総本数に占める割合で考える。
③壁は、その総延長に占める割合で考える。
④床や屋根は、それぞれの総水平投影面積に占める割合で考える。
⑤階段は、その総数に占める割合で考える。
⑥屋根、壁、床の種類にわたる修繕であっても、どれも過半にならなければ、「大規模」には該当しない。

 

こういう判断基準をきちんと出してくれている行政はさすがです。

本当にありがたいです。

これなら、あなたにも判断つきますよね?

 

いしいさん
こういう判断基準はマジで助かる!

 

 

さいごに

以上、【条文だけでは難しい】「大規模の修繕」と「大規模の模様替」の違い【根拠あり】についてでした。

 

結論は、

大規模な修繕 ・・・主要構造部の1種類以上の過半について、従前と同じ仕様で元の状態に復元させること。
大規模の模様替・・・主要構造部の1種類以上の過半について、従前とは異なる仕様で造り替えること。

です。

 

根拠は、

・法2条第十四号
・法2条第十五号
・令2条第五号
・各行政の取扱い
・通達
・建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 など

です。

 

建築基準法の条文だけでは、判断しずらいことがめちゃくちゃいっぱいあります。

そういうときは、書籍や行政が出してくれている取扱いを参照するようにしましょう!

ちなみに、ぼくのおすすめの本は、以下の2冊です。

これらは、マジで役に立ちますよ!

ちょっと値段はしますが、持っているだけで安心感が違います(笑)

 

また、身銭を切ることが、実力アップへの近道ですよ。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。
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