
結論をざっくり言うと
コレクティブハウスは、プライベートはしっかり確保しつつ、住民同士で日々の生活を助け合い、多世代で豊かに暮らすことを目指す住まい方。
シェアハウスは、家賃を抑えながら、個室以外の空間を共有し、住民同士の気軽な交流を楽しむことを目的とした住まい方。
はじめに:コレクティブハウスとシェアハウス、似ているようで結構違う?
最近、暮らし方の選択肢として「コレクティブハウス」や「シェアハウス」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。一人暮らしの自由さと、誰かと一緒にいる安心感、その両方をいいとこ取りできるかもしれない、そんな期待感から関心が集まっているようです。
どちらも「一つの建物を複数人でシェアして暮らす」という点では共通しているので、ちょっと混同しやすいかもしれませんね。
でも実は、どんな目的で、どんな風に暮らすのか、コミュニティのあり方など、中身を見ていくと結構な違いがあるんです。
「コレクティブハウスって、シェアハウスとどう違うの?」
「結局、自分にはどっちの暮らしが合ってるんだろう…?」
この記事では、そんな疑問をお持ちのあなたと一緒に、コレクティブハウスとシェアハウス、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そして両者の明確な違いをじっくりと見ていきたいと思います。
これを読めば、きっとあなたらしい暮らし方を見つけるヒントが見つかるはずです。
まずは「コレクティブハウス」から。どんな暮らし方?
最初に、「コレクティブハウス」について見ていきましょう。
これは、それぞれが独立した住まい(キッチンやお風呂などもちゃんと付いています)を持ちつつ、みんなで使える広い共用スペース(例えば、大きなキッチンダイニングやキッズスペース、時にはゲストルームなんかも)がある集合住宅を指します。北欧のスウェーデンで生まれた考え方で、「協力しながら住まう」といったニュアンスがあるようです。
単に場所を分け合うだけでなく、みんなでご飯を作ったり、子育てを助け合ったり、掃除を分担したりと、日々の暮らしの一部を協力し合うのが大きな特徴。それによって、より豊かで安心な生活を目指す、という考え方が根底にあります。
コレクティブハウスの主なポイント
プライベートはしっかり確保: 自分の部屋にはキッチン・お風呂などがあり、普通の家のように暮らせます。
充実した共用スペース: 自分の部屋だけでは持てないような広い空間や設備をみんなで使えます。
多世代での暮らしも: 子育て中の家族、一人暮らしの方、シニアの方など、色々な世代の人が一緒に暮らすことを目指すケースが多いです。
暮らしの中での協力: 食事作りや掃除などを当番制で行うなど、生活の中で自然な協力関係が生まれます。
良いところ(メリット)
一人じゃない安心感、孤立感を感じにくい。
食事の準備や子育てなど、助け合えるので負担が軽くなることも。
様々な世代の人と関わることで、視野が広がる。
知っておきたいこと(デメリット)
人との距離が近いので、プライベート重視の人には少し窮屈かも。
共同作業や話し合いなど、運営への参加がある程度の負担になることも。
設備が充実している分、家賃は周辺の賃貸より高めになる傾向。
次に「シェアハウス」。こちらはどんな感じ?
続いて、「シェアハウス」について見ていきましょう。特に若い世代には、もうお馴染みかもしれませんね。
シェアハウスは、一つの家の中に、鍵付きの自分の部屋(個室)があって、リビングやキッチン、お風呂、トイレといった場所はみんなで共有する、というスタイルの賃貸住宅です。多くの場合、専門の会社が運営していて、入居者はその会社と契約を結びます。
コレクティブハウスのように「みんなで協力して生活する」という決まりが必ずあるわけではなく、住人同士の交流を楽しんだり、家賃や引っ越しの初期費用を抑えたりすることを主な目的としている場合が多いようです。
シェアハウスの主なポイント
プライベート空間は個室: 自分の部屋はありますが、水回りなどは基本的にみんなで使います。
若い世代が集まりやすい: 20代~30代の学生さんや社会人の方が多い傾向があります。
交流が生まれやすい環境: リビングで顔を合わせたり、時にはイベントが開かれたりして、自然なコミュニケーションが生まれます。
良いところ(メリット)
一人暮らしより家賃や初期費用が安く済むことが多い。
家具や家電が付いている物件が多く、手軽に新生活を始めやすい。
色々なバックグラウンドを持つ人と出会える。
知っておきたいこと(デメリット)
プライベートな空間が個室だけなので、気になる人もいるかも。
生活リズムの違いによる音の問題や、共用スペースの使い方で気を使う場面も。
人間関係が濃密になる分、相性が合わないとストレスになることも。
ここが違う!コレクティブハウスとシェアハウス、5つの比較ポイント
さて、それぞれの特徴が見えてきたところで、両者の違いをもう少しはっきりさせておきましょう。
特に注目したい5つのポイントで比べてみます。
比較ポイント | コレクティブハウス | シェアハウス |
---|---|---|
1. 暮らしの目的 | 支え合い、生活の協力、多世代での共生 | 交流、家賃節約、便利な暮らし |
2. プライベート度 | 高め(独立した部屋+共用部) | やや低め(個室+共用部) |
3. 住んでいる人 | いろんな世代(子育て家族、単身、シニア) | 若い世代中心(20代~30代) |
4. 運営の仕方 | 住民が関わることも、NPOや企業の場合も | 不動産会社や専門の運営会社が多い |
5. 共用スペースの意味 | 生活を豊かに、共同作業の場 | 交流の場、生活に必要な設備を共有する場 |
1. 暮らしの目的:「支え合い」か「交流・節約」か
- コレクティブハウスは、日々の生活の中で互いに助け合うことを大切にします。
食事や育児などを協力して行うイメージです。 - シェアハウスは、住民同士の気軽な交流や、家賃を抑えるといったメリットを重視する場合が多いです。
協力が必須というわけではありません。
2. プライベート度:個室+αがあるかないか
- コレクティブハウスは、自分の部屋にキッチンやお風呂があるので、プライベートはしっかり保たれます。
共用部はプラスαの空間です。 - シェアハウスは、自分の部屋以外は基本的に共用。
プライベート空間は個室がメインになります。
3. 住んでいる人:世代の幅広さ
- コレクティブハウスは、様々な年代の人が一緒に暮らすことを目指すところが多く、世代間の交流も生まれます。
- シェアハウスは、比較的年齢層が近く、20代~30代の人が中心になることが多いようです。
4. 運営の仕方:誰が主体か
- コレクティブハウスは、住民自身が組合を作って運営に関わったり、NPOなどがサポートしたりと、形態は様々です。
- シェアハウスは、多くの場合、不動産会社や専門の運営会社が管理しています。
5. 共用スペースの意味:生活を助けるか、交流の場か
- コレクティブハウスの共用スペースは、広いキッチンやキッズスペースなど、個々の部屋にはない設備で生活を豊かにしたり、共同作業をしたりする場です。
- シェアハウスの共用スペースは、リビングやキッチンなど、生活に不可欠な場所であり、住民が集まる主な交流の場でもあります。
これらの違いを知っておくと、どちらが自分のイメージに近いか、考えやすくなるのではないでしょうか。
あなたにフィットするのは?選ぶときの考え方
コレクティブハウスとシェアハウス、それぞれの個性が見えてきましたね。
では、実際にあなたが選ぶとしたら、どちらがより自分に合っているでしょうか?
いくつかの質問をヒントに、考えてみてください。
Q1. プライベートな時間や空間、どれくらい大事?
- 「自分のペースで過ごせる独立した空間は絶対欲しい!」 → それならコレクティブハウスの方が安心かもしれません。
- 「個室があれば十分。リビングとかで人と話すのも好き」 → シェアハウスの暮らしも楽しめそうです。
Q2. ご近所付き合いやコミュニティ、どう関わりたい?
- 「日々の生活の中で、自然に助け合える関係がいいな」 → コレクティブハウスで、少し踏み込んだ関わり方をしてみるのも良いでしょう。
- 「義務的な関わりはちょっと苦手。イベントとかで気軽に交流したい」 → シェアハウスの、比較的自由な雰囲気が合っているかもしれません。
Q3. どんな人たちと一緒に暮らしたい?
- 「子供からお年寄りまで、色々な世代の人と話してみたい」 → コレクティブハウスならではの多世代交流に魅力を感じるかもしれません。
- 「年齢や状況が近い人と、気兼ねなく話せる方がいいな」 → シェアハウスで、同世代の仲間を見つけるのも楽しそうです。
Q4. 家賃や初期費用、どう考える?
- 「少し費用がかかっても、快適さやプライベート空間は譲れない」 → コレクティブハウスを検討する価値がありそうです。
- 「まずは費用を抑えることを優先したい!」 → シェアハウスなら、手頃な物件が見つかりやすいでしょう。
Q5. どれくらいの期間、住む予定?
- 「長く腰を据えて、地域に馴染んで暮らしたい」 → コレクティブハウスは、長期的な視点で考える人に向いています。
- 「学生の間だけ、とか、とりあえず数年間のつもり」 → シェアハウスは、比較的短期間の利用もしやすいのが特徴です。
もちろん、これが全てではありませんが、これらの点を自分の気持ちと照らし合わせることで、より自分らしい選択ができるはずです。実際に物件を見学して、雰囲気を感じてみるのが一番の近道かもしれませんね。
まとめ:あなたらしい暮らし方を見つけるヒントに
今回は、「コレクティブハウス」と「シェアハウス」という二つの暮らし方について、その違いを中心に見てきました。
簡単にまとめると、
コレクティブハウスは、プライベートはしっかり確保しつつ、住民同士で日々の生活を助け合い、多世代で豊かに暮らすことを目指す住まい方。
シェアハウスは、家賃を抑えながら、個室以外の空間を共有し、住民同士の気軽な交流を楽しむことを目的とした住まい方。
という点が大きな違いと言えそうです。
どちらかが絶対的に良いというわけではなく、それぞれにユニークな魅力と、知っておきたい側面があります。大切なのは、あなたの今のライフスタイルや価値観、そしてこれからどんな風に暮らしていきたいか、という点に、どちらがよりしっくりくるかを見極めることでしょう。
この記事が、あなたが新しい暮らし方を考える上での小さなヒントになれば嬉しいです。もし興味が湧いたら、ぜひ一度、実際のコレクティブハウスやシェアハウスの情報に触れたり、見学に足を運んでみたりしてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見があるはずです。