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【初心者向け】建築確認と建築許可の違いとは?

いしいさん
「確認」と「許可」は全くの別物ですよ~。

はじめに:「建築確認」と「建築許可」とは?

マイホーム計画や建物の新築を検討する際、「建築確認」や「建築許可」といった専門用語に出会うことがあります。
これらは安全な建物を建てる上で欠かせない法的な手続きです。

しかし、「建築確認」と「建築許可」、この二つの言葉は響きが似ているため、具体的に何が違うのか、どちらの手続きが必要なのか、戸惑う方も少なくありません。

結論

建築確認とは?:計画中の建物が、建築基準法をはじめとする法律や条例に適合しているか、事前に確認する手続きです。建物の安全性や周辺環境への配慮などをチェックします。
建築許可とは?:原則として建築が認められていない区域や、特定の条件を満たせない場合に、例外的に建築の許可を得るための手続きです。

このように、建築確認と建築許可は、その目的や手続きの内容が根本的に異なります。
この違いを正しく理解することは、スムーズな家づくりや建築計画の第一歩となります。
この記事を通して、それぞれの制度の内容と違いを明確にしていきましょう。


「建築確認」とは? ルール適合性をチェックする手続き

「建築確認」は、これから建てようとする建物が、建築基準法や関連する条例などのルールを守って設計されているかを確認するための重要な手続きです。

  • 目的:
    • 建物の構造上の安全性(耐震性など)の確保
    • 防火・避難に関する規定の遵守
    • 衛生面や周辺環境への配慮(日照、通風など)
    • 用途地域などの規制への適合性
  • 建築確認が必要となる主なケース:
    • 新築:一戸建て住宅、マンション、店舗、事務所など、ほとんどの建築物
    • 増改築:一定規模以上の増築や改築、大規模な修繕・模様替え
    • 用途変更:建物の使い方を変える場合(例:事務所を店舗に変更)
    • ※地域や建物の規模・用途によって詳細は異なります。
  • 手続きの流れ:
    1. 申請: 建築主が、建築確認申請書と設計図書などを揃えて提出します。
    2. 審査: 特定行政庁(都道府県や市町村)または指定確認検査機関(民間の審査機関)が、提出された書類をもとに法律への適合性を審査します。
    3. 確認済証の交付: 審査の結果、問題がなければ「確認済証」が交付されます。この確認済証がないと、原則として工事を始めることはできません。
    4. 中間検査・完了検査: 工事の途中段階や完了後にも、申請通りに工事が行われているか検査を受ける必要があります(対象となる建物の場合)。
  • ポイント: 建築確認は、あくまで「法律への適合性」を確認する手続きであり、建物の品質や性能を保証するものではありません。

建築確認は、安全・安心な建物を社会に供給するための基本的な制度といえます。


「建築許可」とは? 例外的に建築を認める手続き

一方、「建築許可」は、建築基準法や都市計画法などの規定により、本来であれば建築が制限されている場所や条件下で、特別な事情がある場合に、例外的に建築を認めてもらうための手続きです。

  • 目的:
    • 市街化調整区域など、原則として建築が抑制されるべき地域での開発行為や建築を、一定の要件下で許可する。
    • 道路に接していない土地(接道義務違反)など、建築基準法の規定を満たせない敷地での建築を、安全性が確保される場合に許可する。
    • 用途地域などの制限を超える建築物を、公共性などの観点から許可する。
  • 建築許可が必要となる主なケース:
    • 都市計画法に基づく開発許可: 市街化調整区域内で建物を建てる場合(農林漁業用の建物を除くなど、例外あり)
    • 建築基準法に基づく許可(例:法第43条第2項許可): 建築基準法上の道路に2m以上接していない敷地に建物を建てる場合
    • 建築基準法に基づく許可(例:法第48条許可): 用途地域内で、原則として建築できない用途の建物を、特例的に建築する場合
    • ※上記以外にも、様々な法令に基づく建築許可が存在します。
  • 手続きと難易度:
    • 建築許可は、個別の案件ごとに、その必要性や周辺環境への影響などを慎重に審査されます。
    • 申請には、許可の種類に応じた詳細な図面や書類が必要となり、建築確認よりも手続きが複雑で、時間もかかる傾向があります。
    • 許可の基準は厳しく、必ずしも許可が得られるとは限りません。専門家(建築士など)への相談が不可欠となるケースが多いです。
  • ポイント: 建築許可は、「確認」ではなく「許可」である点が重要です。行政庁の裁量による判断が大きく影響します。

土地の条件や計画の内容によっては、この建築許可が必要になるかどうかを事前に調査することが非常に重要です。


一目でわかる!「建築確認」と「建築許可」の主な違い

これまで見てきた「建築確認」と「建築許可」の主な違いを、ポイントごとに整理してみましょう。

  • 目的の違い:
    • 建築確認: 計画された建物が、建築基準法などのルールに適合しているかをチェックする。
    • 建築許可: 本来は建築できない場所や条件下で、例外的に建築を認めるかどうかを判断する。
  • 根拠となる法律:
    • 建築確認: 主に建築基準法に基づきます。
    • 建築許可: 建築基準法のほか、都市計画法など、許可の種類によって根拠となる法律が異なります。
  • 手続きの性質:
    • 建築確認: 法律の基準に合っていれば、原則として確認済証が交付される**「確認」**行為。
    • 建築許可: 個別の事情を考慮し、行政庁が裁量で判断する**「許可」**行為。必ずしも認められるとは限らない。
  • 申請先:
    • 建築確認: 特定行政庁 または 指定確認検査機関。
    • 建築許可: 特定行政庁(都道府県知事や市町村長など)。許可の種類により異なります。
  • 必要となるケース:
    • 建築確認: ほとんどの建築物の新築、一定規模以上の増改築など、広く必要とされます。
    • 建築許可: 市街化調整区域での建築、接道義務違反の敷地など、特定の条件下でのみ必要となります。

どちらの手続きが必要か?

  • 通常の建築計画であれば、まず「建築確認」が必要になります。
  • 土地の条件(例:市街化調整区域、道路に接していない)や、特殊な建築計画(例:用途地域の制限を超える)の場合に、「建築許可」が必要かどうかを検討する必要があります。

まとめ

今回は、「建築確認」と「建築許可」という、家づくりや建築において重要な二つの手続きの違いについて解説しました。

結論

建築確認は、計画中の建物が建築基準法などのルールに適合しているかをチェックする、ほとんどの建築で必要となる手続きです。
建築許可は、市街化調整区域での建築や接道義務を満たせない敷地など、本来建築が制限される場合に、例外的に建築を認めてもらうための手続きです。

目的、根拠法、手続きの性質などが大きく異なる点を理解いただけたでしょうか。

項目 建築確認 建築許可
目的 法令への適合性チェック 例外的な建築の許可
根拠法 主に建築基準法 建築基準法、都市計画法など
性質 確認行為(基準適合なら原則OK) 許可行為(行政庁の裁量判断、必ずOKとは限らない)
必要性 ほとんどの建築物で必要 特定の条件下(市街化調整区域、接道義務違反など)で必要

最後までお読みいただきありがとうございました。
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