2025年5月14日に、 株式会社 安藤・間(安藤ハザマ) が、 2025年3月期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の決算を発表しました。
この内容は、建設業界全体のこれからを考える上で、 結構参考になるポイントが多いんです。
そこで今回は、 建設や不動産の仕事をしている皆さんに役立つように、 この決算を分かりやすく解説し、
これから何を考え、どう動けばいいのか、ヒントを探っていきたい と思います。
かなり好調! 2025年3月期の主な数字をチェック 📈
まず、安藤ハザマがどれだけ良かったのか、 主な数字を見てみましょう。
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売上高: 4,251億6,000万円 (前の期より 7.9%アップ)
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営業利益: 352億4,300万円 (前の期よりなんと 89.6%もアップ!)
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経常利益: 340億5,300万円 (前の期より 83.6%アップ)
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親会社株主に帰属する当期純利益: 264億4,400万円 (前の期より 90.5%アップ)
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1株当たり当期純利益: 168円75銭 (前の期は88円64銭でした)
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売上高営業利益率: 8.3% (前の期は4.7%)
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自己資本当期純利益率(ROE): 16.3% (前の期は9.4%)
売上も伸びていますが、 特に注目したいのが 営業利益の伸び。 9割近くも増えている のはすごいですね。
おかげで、会社がどれだけ効率よく稼げているかを示す 売上高営業利益率も、グッと良く なっています。
事業ごとの成績は? – やっぱり建築が強い! 🏗️
次に、どんな事業が好調だったのか見ていきましょう。
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建築事業:
- 売上高: 2,613億円(前の期より 16.6%アップ)
- 営業利益: 269億円(前の期よりなんと 199.8%もアップ!)
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土木事業:
- 売上高: 1,327億円(前の期より 0.3%ダウン)
- 営業利益: 151億円(前の期より 7.6%アップ)
建築事業の勢いが目立ちますね。 売上も利益も大きく伸ばして、会社全体の成績アップに貢献しています。
民間の設備投資が活発だったり、 大きなプロジェクトがうまく進んだりした結果かもしれません。
土木事業は、売上が少し減りましたが、 利益はしっかり増やしていて、 うまくやりくりしている様子がうかがえます。
会社の体力は大丈夫? 財務もキャッシュも良好 💪
会社の財産や借金のバランス、手元の現金なども見ておきましょう。
- 総資産: 3,719億7,400万円
- 純資産: 1,721億8,300万円
- 自己資本比率: 46.0%
- 現金及び現金同等物 期末残高: 557億7,200万円
- 営業活動によるキャッシュ・フロー: 111億7,600万円のプラス (前の期は111億1,500万円のマイナスでした)
会社の体力とも言える 自己資本比率は、しっかりした水準をキープ。 事業で得た現金の出入りを示す 営業キャッシュ・フローも、前の期よりずっと良く なっています。
株主には? – 配当も増やすみたい 💰
株主への還元も積極的です。
2025年3月期の配当は、 1株あたり年間で 70円(前の期は60円)になりました。
さらに、次の2026年3月期には 年間 80円に増やす予定 だそうです。
次の期(2026年3月期)はどうなる? – 売上は伸びるけど、利益はちょっと一息 ☕
来期の見通しも出ています。
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売上高: 4,410億円 (今期より 3.7%アップ の予想)
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営業利益: 271億円 (今期より 23.1%ダウン の予想)
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経常利益: 265億円 (今期より 22.2%ダウン の予想)
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親会社株主に帰属する当期純利益: 180億円 (今期より 31.9%ダウン の予想)
売上は引き続き伸びそうですが、 利益は今期の大きな伸びから少し落ち着く みたいですね。
材料費や人件費が引き続き高いことや、 会社の将来のための投資 (例えば、新しい技術や社員教育など)に お金を使うことが影響するのかもしれません。
【ここがポイント】建設・不動産の仕事で参考にしたいこと、やるべきこと 💡
さて、安藤ハザマの今回の決算や来期の見通しから、 私たち建設・不動産業界の人間は 何を読み取り、どう活かせばいいのでしょうか。
いくつかポイントを考えてみました。
1.今の市場は悪くない。でもコスト意識はもっとシビアに 📊
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2025年3月期の良い成績、特に建築分野が伸びているのを見ると、 建設市場には まだ仕事がたくさんありそう です。 特に都市部の再開発や、物流施設、データセンターみたいなものは、 これからも需要がありそうですね。
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でも、来期の利益が少し減る予想を見ると、 材料費や人件費の高さが、やっぱり利益を圧迫しそうだと分かります。 安藤ハザマも「資材価格や労務費等の動向に今後も注視が必要」 と言っているくらいですから、 どこの会社も、もっと コストを意識して、効率よく仕事を進める工夫 が大事になります。
- じゃあどうする? 🤔
- 自分たちの会社のコストをもう一度よく見て、見積もりの精度を上げる。
- 材料を仕入れる会社とよく話し合ったり、新しいやり方や材料を試したり。
- 長い目で見た契約を考えたりするのもいいかもしれません。
- じゃあどうする? 🤔
2.IT活用や効率化は、もっと本気で 💻
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安藤ハザマは 「ICTやAIに関する技術開発による施工の自動化・省人化の推進や、 BIM・CIMの活用による生産プロセスの改革」 を続けています。 これは、建設業界でずっと言われている 人手不足 や、 仕事の効率アップ への答えの一つですね。
- じゃあどうする? 🤔
- BIM/CIMをまだ使っていなかったり、一部でしか使っていなかったりするなら、 もっと広げてみるのを考えてみてはどうでしょう。
- ドローンで測量したり、現場管理のアプリを使ったり、 AIで仕事の段取りを考えたり。
- 自分たちの会社の規模や仕事内容に合ったITツールを取り入れて、 無駄を減らして、もっと価値のある仕事ができるようにしたいですね。
- じゃあどうする? 🤔
3.「人」への投資と、働きやすい環境づくりがカギ 👥
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安藤ハザマが 「報酬水準の見直しをはじめとする人事制度の改定や 資格取得に向けた研修の拡充等、人財への積極的な投資を継続」 しているのは、 業界全体で 人が足りない、人を育てなきゃいけない、という大きな課題があるからです。
- じゃあどうする? 🤔
- 社員のスキルアップを手伝ったり、資格を取るのを応援したり。
- 働きがいのある環境(例えば、残業を減らす工夫や、休みを取りやすくするなど)を 整えることに力を入れる。
- 若い人や女性も働きやすい会社にして、色々な人に来てもらえるように、 そして長く続けてもらえるようにしたいですね。
- じゃあどうする? 🤔
4.地球環境や社会への配慮(ESG)は、もう当たり前 🌍
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安藤ハザマは 「脱炭素社会の実現に向け、温室効果ガス排出削減目標を 『1.5℃水準』に更新しSBT認証を再取得」 するなど、 地球環境や社会に良いことをする経営(ESG経営)を進めています。 これからの時代、こういう取り組みは会社の価値を左右するくらい大事になってきます。
- じゃあどうする? 🤔
- 環境に優しい設計や工事を提案したり、省エネになる建材を選んだり。
- 現場で出るゴミを減らしたりリサイクルしたり、具体的な活動を強めていく。
- 自分たちだけでなく、取引先の会社とも一緒に取り組むことも考えてみましょう。
- じゃあどうする? 🤔
5.今の仕事だけじゃなく、新しい可能性も探ってみる 🚀
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安藤ハザマは 「再生可能エネルギー事業の一環として系統用蓄電池事業へ参入」 するなど、 建設以外の仕事にもチャレンジしています。
- じゃあどうする? 🤔
- 長い目で見て、自分たちの会社の得意なことを活かせる新しい分野や、 これから伸びそうな市場 (例えば、リフォームや、エネルギー効率の良い家・ビル、街づくりに関わることなど)に 挑戦してみるのも良いかもしれません。
- じゃあどうする? 🤔
さいごに:時代の変化をチャンスに、次の一歩を 🚀
安藤ハザマの2025年3月期の決算は、 建設市場がまだまだ元気なことと、 会社がうまく経営していることを示していました。
ただ、来期の予想を見ると、 コストの問題や将来への投資で利益が少し調整されそうで、 これは 業界全体が同じような課題に直面している ということでしょう。
私たち建設・不動産業界の人間は、 今回の決算を一つの目安にして、 自分たちの状況と照らし合わせながら、
- コスト管理の徹底
- ITを使った効率化
- 社員への投資
- そして 環境や社会への配慮
といった課題にしっかり取り組んでいく。
それが、会社がこれからも成長していくためのカギになりそうです。
大手の動きを参考にしつつ、 自分たちの会社の強みや規模に合わせて、 柔軟に新しい一歩を踏み出していきたいですね。