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【建築士法第18条第4項のポイントを解説!】なぜ大規模建築に『建築設備士』は不可欠なのか?

🏢 この記事でわかること

  • 大きなビルや病院が快適で安全な理由
  • 「建築設備士」というプロの仕事
  • 法律で決められた専門家同士の協力ルール

「建築って専門用語が多くて苦手…」という方でも大丈夫! 世界一わかりやすく解説します。


1.すべての基本。「法律のルール」をのぞいてみよう

まず、条文を見てみましょう。

【建築士法 第18条第4項】 建築士は、延べ面積が2000㎡を超える建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合においては、
建築設備士の意見を聴くよう努めなければならない。ただし、設備設計一級建築士が設計を行う場合には、設計に関しては、この限りでない。

はい、ストップ! 難しく感じる必要はまったくありません。

このルールの結論を、シンプルに言うと…

大きな建物の設備は、その道のプロとしっかり協力してね!

ということです。 では、このルールを2つのパートに分けて、もっと詳しく見ていきましょう。


2.基本のルール【原則】

まず、法律の基本的なルールです。

どんな時に?

🏫 学校、病院、オフィスビルなど… 延べ床面積が2,000㎡を超える大きな建物の設備について考えます。 (※2,000㎡は、だいたい小学校の体育館くらいの広さです)

誰が、誰に、何をする?

  • 誰が?
    • 👨‍💼 建築士(建物の設計や工事を監督する人)が…
  • 誰に?
    • 🔧 建築設備士(空調・電気・水道などのプロ)に…
  • 何を?
    • 💡 「この設備の設計で問題ない?」「工事はちゃんとできてる?」と、専門家として意見を聞く。

なぜ、このルールが必要なの?

それは、大きな建物の設備がとても複雑で重要だからです。

  • 省エネで快適な空調システム
  • いざという時に命を守る防災・排煙設備
  • たくさんの人が使う電気や水道

これらは、少しでも間違えると大変なことになります。 だからこそ、建物の安全と品質をしっかり保証するために、建築士と建築設備士の協力がルールになっているのです。


3.たった1つの【例外】(ただし書き)

基本ルールには、たった一つだけ例外があります。

どんな時に?

🥇 設備設計一級建築士という、設備のスーパー専門家設計をする場合のみです。

どうなるの?

他の建築設備士に意見を聞かなくてもOKになります。

なぜ、例外なの?

理由はとてもシンプル。 設計している本人自身が、最高の設備専門知識を持っているからです。

⚠️ ここだけ注意!

この例外が認められるのは設備設計一級建築士が「設計をするときだけ

設備設計一級建築士が設計したとしても、実際の工事が設計通りに進んでいるかチェックする「工事監理」の場面では、原則通り、他の建築設備士との協力が求められることがあります。


4.【結論】なぜ「建築設備士」は不可欠なのか?

原則と例外の考え方を、整理してみましょう。

  • 原則は「チーム体制」の考え方です

    建築士が、外部の専門家である「建築設備士」に意見を聞きます。この2者の協力によって、建物の品質を保証するのが基本の形です。

  • 例外は「スーパー専門家」による体制です

    設計者自身が、最高の専門家である「設備設計一級建築士」であるため、一人で品質を保証できる、という特別な形です。

 このように、法律が何よりも大切にしているのは、

✅ 「設備のプロによる、専門的なチェック機能」が必ず入ること

です。

そのチェックを外部の専門家に頼むか(原則)、設計者自身が担うか(例外)の違いはあっても、専門家によるチェックは欠かせません。

だからこそ、ほとんどの場合において、建築設備士との協力が「不可欠」とされているのです。


5.まとめ:最高の建物は、最高のチームから

この記事のポイントをおさらいしましょう。

  • ✅ 大きな建物を建てるときは、「建築設備士」との協力が基本ルール。
  • ✅ なぜなら、複雑な設備の安全と品質を守るため。
  • ✅ 良い建物は、専門家同士の最高のチームワークから生まれる!

普段何気なく使っている建物が、こうした専門家たちの連携によって支えられていると知ると、少し見え方が変わってくるかもしれませんね。