こんにちは!
今回は、建物の安全を守る上で超重要な、
建築基準法施行令第114条に登場する3つのキーワード、
・「防火上主要な間仕切壁(ぼうかじょうしゅようなまじきりかべ)」
・「隔壁(かくへき)」
について、じっくり解説していきます。
この3つ、それぞれ呼び名は違いますが、実はある共通点があります。
それは、すべて「準耐火構造」にしなければならない、という点です。
「なんで全部そうなの?」 「それぞれの役割って何?」
そんな疑問を、条文を紐解きながら、とことん分かりやすくお伝えしますね。
このブログを読めば、皆さんの建物づくりが、もっと安全で確実なものになるはずです!
そもそも「準耐火構造」って、どんな構造?
まず、基本中の基本「準耐火構造」について、しっかり確認しておきましょう。
建築基準法で定められている準耐火構造をざっくり言うと、
「通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一定時間(通常45分間)、損傷を生じないもの」
ちょっと難しい言葉ですが、もっと簡単に言うと、
「もし火事が起きても、決められた時間(たいてい45分間)は、火が燃え広がらないようにできるスゴい性能を持った部分」のことなんです。
これにより、火災の拡大をその場で食い止める時間稼ぎができます。
これが、建物の安全性を高めるための、とても重要な性能になります。
第114条を読み解く!3つの重要箇所の「準耐火構造」ルール
それでは、いよいよ建築基準法第114条の各項目を具体的に見ていきましょう。
火事が広がるのを防ぐために、それぞれどのような場所に「準耐火構造」が求められているのか、その意味合いも一緒に解説します。
1. 共同住宅(アパート・マンション)の「界壁」
第百十四条 長屋又は共同住宅の各戸の界壁(自動スプリンクラー設備等設置部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の界壁を除く。)は、準耐火構造とし、第百十二条第四項各号のいずれかに該当する部分を除き、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
目的: 万が一、どこかの部屋で火事が発生しても、隣の部屋に火が燃え移るのを防ぐためです。隣の部屋の住人が安全に避難する時間を確保し、被害が広がるのを最小限に抑えるのが狙いです。
ルール: この界壁は、準耐火構造にすることが義務付けられています。また、火や煙が上を通って回り込まないよう、一部の例外を除いて、屋根裏(小屋裏)や天井裏までしっかりと壁を立ち上げる必要があります。
2. 特定の建物内の「防火上主要な間仕切壁」
2 学校、病院、診療所(患者の収容施設を有しないものを除く。)、児童福祉施設等、ホテル、旅館、下宿、寄宿舎又はマーケットの用途に供する建築物の当該用途に供する部分については、その防火上主要な間仕切壁(自動スプリンクラー設備等設置部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の間仕切壁を除く。)を準耐火構造とし、第百十二条第四項各号のいずれかに該当する部分を除き、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
目的: これらの建物では、火事が起きたときに、利用者が安全に避難できるように、火の勢いをコントロールすることが非常に大切です。この防火上主要な間仕切壁を準耐火構造にすることで、火災の進行を遅らせ、避難経路を確保したり、消火活動をスムーズに進めることを目指します。
ルール: 火災時に特に重要な防火上主要な間仕切壁は、準耐火構造にしなければなりません。こちらも、一部の例外を除き、火や煙が回り込まないよう、屋根裏(小屋裏)や天井裏まで壁を立ち上げることが求められます。
3. 屋根裏や天井裏の「隔壁」
3 建築面積が三百平方メートルを超える建築物の小屋組が木造である場合においては、小屋裏の直下の天井の全部を強化天井とするか、又は桁行間隔十二メートル以内ごとに小屋裏(準耐火構造の隔壁で区画されている小屋裏の部分で、当該部分の直下の天井が強化天井であるものを除く。)に準耐火構造の隔壁を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 法第二条第九号の二イに掲げる基準に適合する建築物
二 第百十五条の二第一項第七号の基準に適合するもの
三 その周辺地域が農業上の利用に供され、又はこれと同様の状況にあつて、その構造及び用途並びに周囲の状況に関し避難上及び延焼防止上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合する畜舎、堆肥舎並びに水産物の増殖場及び養殖場の上家4 延べ面積がそれぞれ二百平方メートルを超える建築物で耐火建築物以外のもの相互を連絡する渡り廊下で、その小屋組が木造であり、かつ、けた行が四メートルを超えるものは、小屋裏に準耐火構造の隔壁を設けなければならない。
・広い(建築面積が300㎡を超える)木造の建物の屋根裏(小屋裏)。
・耐火建築物以外の建物同士をつなぐ、木造の長い(けた行が4mを超える)渡り廊下の屋根裏。
目的: 屋根裏や天井裏は、火災時に目に見えない形で火が広がりやすい空間です。特に木造の場合、屋根の骨組みを伝って火が広がるリスクが高まります。この**「隔壁」**を設けることで、水平方向への火災の広がりを食い止め、被害が全体に及ぶのを防ぎます。
ルール: 一定の広さ以上の木造建築物の屋根裏には、12メートル以内ごとに準耐火構造の隔壁を設けるか、天井全体を強化天井にする必要があります。(ただし、一部の基準を満たす建物や特定の用途の建物は除外されます。)また、特定の渡り廊下の屋根裏にも、同様に準耐火構造の隔壁が必要です。
まとめ:火災安全の要「準耐火構造」の力
このように、建築基準法第114条の1項から4項は、それぞれの役割や設置場所は異なるものの、すべてに「準耐火構造」を求めることで、火災発生時に延焼を効果的に防止しようとしています。
これらの規定は、建物の種類や用途、特性に応じて、火災の安全性を高めるための具体的な要求事項として定められているんです。
今回の解説が、皆さんの日々の業務に少しでも役立てば幸いです