【表あり】「軽微な変更」の判断基準は?【結論:安全側で、明らかに適合するもの】

お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。

今回は、ぼくはけっこう悩んでしまう「軽微な変更」の判断基準についてです。

ざっくり結論をいうと

安全側の変更で、明らかに適合しているものが軽微な変更として扱うことができる

です。

 

では、さっそく解説していきます。

 

いしいさん
これを読めばある程度、判断できるようになりますよ!

 

そもそも軽微な変更とは?

着工してから、当初と計画が変わったりすることってよくありますよね?
原則、確認申請時と計画が変わってしまったら、さいど確認申請が必要です。

でも、どんな変更でもまた確認申請が必要だとしたらメンドクサイですよね?
そこで、小さな変更、つまり、軽微な変更であれば、さいど確認申請をする必要はありません。

 

いしいさん

要は、手続きを簡素化できるってことです。

軽微は変更の判断基準は?

規則第3条の2第1項第一号から第十五号までのいずれかに該当し、
変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものです。

この規則3条の2第1項第一号から第十五号をまとめるとこのよう↓になります。

規則第3条の2第1項 変更事項 明らかに軽微は変更と判断できるもの 左記以外で軽微な変更と判断するもの
一号 敷地に接する道路の幅員 幅員が広くなるもの 幅員が測量の微少な誤差により狭くなる場合で、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
敷地が道路に接する部分の長さ 長くなるもの又は短くなる場合で、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
二号 敷地面積、敷地境界線の位置 敷地面積が増加する場合で変更後の敷地境界線で囲まれた部分が変更前を包含するもの、又は測量の微少な誤差により減少する場合で、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
三号 建築物の高さ 低くなるもの、又は施工上の微少な誤差により高くなる場合で、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
建築物の地盤面 変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
四号 階数 減少するもので、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
五号 建築面積 減少する場合で変更前の建築面積を算定するために用いた線で囲まれた部分が、変更後を包含するもので、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
六号 床面積 減少する場合で変更前の床面積を算定するために用いた線で囲まれた部分が、変更後を包含するもので、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
七号 用途の変更 令第137条の17で指定する類似の用途相互間におけるもの
室の用途変更 変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
八号 構造耐力上主要な部分である基礎口、間柱、床版、屋根版又は横架材(小はばりその他これらに類するものに限る)の位置の変更 確認申請時に変更に関するあらかじめ検討がされており、変更がその反にないである場合 変更に係る部材及び当該部材に接する部材以外に応力度の変更がなく(微少な変動む)、変更に係る部材及び当該部材に接する部材が令82条各号に規定する構造計算によってたしかめられる安全性を有するもので、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
九号 構造耐力上主要な部分である部材の材料又は構造の変更 建築材料に変更がないこと、強度または耐力が減少しないこと(微少な変動含む)及び施行規則第3条2第1項第 11 号の表に定める変更であることが確認できるもので、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
十号 構造耐力上主要な部分以外の部分である屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する建築物の部分、広告塔、装飾塔その他建築物の
屋外に取り付けるもの若しくは当該取り付け部分、壁又は手すり若しくは手すり壁の材料若しくは構造の変更又は位置の変更
施行規則第3条の2第1項第 11 号の表に定める材料、構造の変更のみで、位置の変更がない場合 位置の変更にかかるもので、変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
十一号 施行規則第3条の2第1項第11 号に定める材料又は構造 施行規則第3条の2第1項
第 11 号に定める材料又は構
造の変更
十二号 井戸の位置 施工規則第3条の2第1項第12号に定める変更
十三号 開口部の位置の変更及び大きさ 変更後が変更前を包含するもの(耐力壁にかかわるものは除く) 変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの(13 号イ~ニにかかることを除く)
十四号 天井の高さ 天井の高さの変更(施行令第21条に抵触しないことを確認する場合に限る) 変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの
十五号 建築設備の材料、一又は能力 能力が低下しないもの 変更後の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの

(出典:愛知県建設部建築担当局建築指導課)

つまり、簡単にいうと
安全側の変更で、明らかに適合しているものが軽微な変更として扱うことができるのです。

なお、明らかに適合しているものの判断があいまいなときは必ず建築主事や建築基準適合判定資格者に相談してください。

この明らかに適合しているものの判断は、建築主事や建築基準適合判定者にしかできません。

相談するさいは、自分の考えを持ったうえで相談するようにしましょう。その方が、軽微は変更として扱ってもらえることが多くなります。(経験談)

グレーな部分でも、設計者がきちんと根拠を持って相談すれば、検査員も人間です。なんとか軽微にならないかという方向で考えてくれます。

逆に、根拠を持たず、これ軽微になりますか?と相談してもグレーな内容であれば、考えるのが面倒だし、何かあったら嫌だから計画変更ねって判断されがちです。

つまり、あなたがどれだけ有資格者としてどれだけ真剣に考えているかによって「軽微な変更」か「計画変更」か変わってくることがあるのです。

 

(余談ですが、ぼくはビビりなので、設計者が根拠を持たずにグレーな内容の相談をしてきたら間違いなく計画変更と言ってしまいます。)

 

 

いしいさん
有資格者なら必ず根拠を持ってから相談しましょう!

 

さいごに

以上、【表あり】「軽微な変更」の判断基準は?【結論:安全側で、明らかに適合するもの】
についてでした。

結論は、

安全側の変更で、明らかに適合しているものが軽微な変更として扱うことができる

です。

グレーな判断を相談するときは、あなたの考え・根拠を持ってから行くようにしましょう。その方が検査員も人間です。あなたの親身になって考えてくれますよ!

さいごまでお読みいただきありがとうございました。

やっぱりぼくはビビりだなあ~。

 

追記