住宅市場の「逆風」を「商機」に変えた3Q決算
現在の住宅市場は、金利上昇や資材高騰という大きな転換点にあります。
通常、住宅ローンビジネスには厳しい環境ですが、日本モーゲージサービス(MSJ)が2026年2月6日に発表した3Q決算は、その先入観を鮮やかに覆しました。
利益予想の40%超上方修正、そして10円の増配。
この逆説的な勝利をもたらした、市場の読み解き方と戦略を徹底解説します。
【サプライズ】利益予想を40%以上も一気に上方修正!
投資家に衝撃を与えたのは、売上(営業収益)の伸びをはるかに上回る、利益の爆発的な跳ね上がりです。
2026年3月期 通期連結業績予想の修正
| 項目 | 修正後の予想 | 当初予想比 |
| 営業収益 | 7,600百万円 | +6.2% |
| 営業利益 | 1,600百万円 | +44.8% |
| 当期純利益 | 1,100百万円 | +43.4% |
| 1株当たり利益(EPS) | 74.82円 | — |
単なる上振れではなく、利益が約1.5倍近くまで引き上げられた事実は、同社の収益フェーズが一段上がったことを示しています。
【逆転現象】「固定金利(フラット35)」への回帰が鮮明に
好業績の最大要因は、主力である固定金利型住宅ローンの復活です。
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消費者の安心ニーズ: 金利上昇局面において「将来の負担増」を避けるため、長期固定へのニーズが再燃。
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融資実行件数の増加: コアブランド「MSJフラット35」が前年同期比4.0%増と好調。
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単価の上昇: 住宅価格の高騰に伴い1件あたりの融資額が増え、手数料収入を押し上げ。
市場が金利上昇をリスクと捉える中、MSJはそれを「固定金利ニーズの掘り起こし」という追い風に変えました。
【独自の武器】「住宅事業者支援」と法改正の追い風
MSJの強みは、ローンだけでなく住宅を建てる実務を支える多角的なサポート体制にあります。
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住宅瑕疵保険等事業: 地盤保証とのセット販売が好調。着工減の逆風下でも発行件数3.0%増を確保。
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住宅アカデメイア事業: 2025年4月の省エネ基準適合義務化に向けた「設計サポート」が新たな収益源に。
注目ポイント:法改正という逃げられない変化を、同社は確実に利益へと変換しています。
経営陣の自信!「10円増配」という強力なメッセージ
今回の3Q決算で最も注目すべきは、株主還元の大幅な拡充です。
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期末配当: 20円 → 30円(10円の増配)
前期実績(22円)から見ても大幅なプラスです。
この決定は、現在の好調が一時的ではなく、今後も持続可能であるという経営陣の自信に他なりません。
2026年、私たちは住宅の未来をどう見るか?
住宅業界は今、性能の高度化が義務となる大きな節目にいます。
中小住宅事業者がその対応に追われる中、金融と実務の両面で支えられるMSJのようなパートナーの価値はかつてないほど高まっています。
金利上昇を単なるリスクとせず、消費者の安心と事業者の効率を同時に満たすサービスへ変換する。
MSJの躍進は、これからの住宅業界と投資判断における重要な道しるべとなるはずです。