今回は、【実務や試験でよく出る】「建築基準法上の道路」とは?特徴は?【一級建築士がわかりやすく説明!】についてです。
こんにちは。いしいさんです。
実務や試験でよく出る「建築基準法上の道路」は、全部で7つです。
法42条第1項第一号~第五号 | 5つ |
法42条第2項 | 1つ |
法42条第3項 | 1つ |
計7つ。
では、これらを条文を用いて説明していきます。
法42条第1項第一号~第五号
ここは、めちゃくちゃ実務や試験に出てきます。
では、条文を見ていきます。
法42条(道路の定義)第1項
この章において、「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員4m(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、6m。次項及び第3項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
出だしに、道路の前提条件が書いてあります。
つまり、1項に書いてある5つの建築基準法上の道路は、幅員が4m以上が大前提なのです。
では、次の各号(一号~五号)を見ていきます。
一 道路法(昭和27年法律第180号)による道路
二 都市計画法、土地区画整理法(昭和29年法律第119号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和39年法律第160号)、都市再開発法(昭和44年法律第38号)、新都市基盤整備法(昭和47年法律第86号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)又は密集市街地整備法(第6章に限る。以下この項において同じ。)による道路
三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
四 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
ざっくりまとめるとこんな↓感じです。
種類 | 説明 | イメージ |
一号 | 大きな道路。 | 国道 |
二号 | 開発で造った道路。 | 開発地にある道路 |
三号 | 昔からある道。 | 建築基準法ができる前からある道路 |
四号 | ○○〇法による道路で、次の3つの条件を全て満たしたもの。
①新設又は変更の事業計画がある |
ある法律でこれからできる道路 |
五号 | 位置指定道路。 | 開発に該当しないで造った道路 |
繰り返しになりますが、この5つは幅員が4m以上が大前提になっていますからね!
つまり、
一号は、大きな道路(幅員は4m以上)
二号は、開発で造った道路(幅員は4m以上)
三号は、昔からある道(幅員は4m以上)
四号は、○○〇法による道で3つの条件を全て満たしたもの(幅員が4m以上)
五号は、位置指定道路(幅員が4m以上)
となるのです。
(全て幅員が4m以上であることが大前提。)
法第42条第2項
実務や試験で
「2項道路」
または
「みなし道路」
と言われるものです。
では、条文を見ていきます。
法第42条第2項
都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離2m(同項の規定により指定された区域内においては、3m(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、2m)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離2m未満で岸地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離4mの線をその道路の境界線とみなす。
ざっくり言うと
・もともと幅員が4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは、建築基準法上の道路とみなしますよ。
・この道路の中心線から中心振り分け2mのところを道路の境界線とみなすよ。
ってことです。
・幅員が4m未満だが、特定行政庁が指定したものは道路とみなす。
・道路の中心線から2mの位置を道路境界線とみなす。
法第42条第3項
ぶっちゃけ実務では、ほとんどでてきません。
しかし、なぜか建築士試験ではよく出題されます。
法第42条第3項
特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については4m未満2.7m以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。
ざっくり言うと
土地の状況によりどうしても幅員を4mにすることができないときは、水平距離は4m未満2.7m以上の範囲内で、特定行政庁は別に水平距離を指定することができるってことです。
・どうしても幅員4mにすることができないときの道路。
・この場合、水平距離は4m未満2.7m以上の範囲内で特定行政庁が指定する。
まとめ
以上、実務や試験でよく出る建築基準法上の道路についてでした。
上記で説明した7つについては、必ず抑えておきましょう!
また、道路は建築基準法でめちゃくちゃ大事です。
理由は、建築物は、建築基準法上の道路に2m以上接していないと、原則たてることができないからです。これは、法43条に規定されています。この内容はまた別の記事にまとめたいと思います。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。