【知っているとプロっぽい】特殊建築物とは?【一級建築士がわかりやすく説明!】

建築基準法をわかりやすく説明するシリーズです。
今回は、「特殊建築物とは?」についてです。

こんにちは。いしいさん(@ishiisans)です。

建築物は2種類に分類することができるのを知っていますか?

・特殊建築物
・特殊建築物以外

全ての建築物はこの2つに分類することができます。

では、特殊建築物とはどういうものか、わかりやすく説明していきますね。

 

いしいさん
特殊建築物とは何ぞや?

特殊建築物の定義は?

建築基準法第2条第二号より

学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚染処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

その他これらに類する用途は、法別表1を指しています。
また、法別表1のなかに出てくる政令で定めるものは、令第115条の3を指しています。
これらをまとめると以下のようになります。

(1) 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
(2) 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等
(3) 学校、体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、水泳場又はスポーツの練習場
(4) 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積が10㎡以内のものを除く。)
(5) 倉庫
(6) 自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ

 

これらは全て特殊建築物に該当します。
めちゃくちゃいっぱいありますね~。

これらの特徴をざっくり言ってしまうと
不特定多数の人が利用する建築物のことです。

例えば、
映画館。全然知らない人達が映画を見ていますよね?
百貨店。老若男女が買い物してますよね?
こういう建築物のことを特殊建築物と定義されているのです。

ちなみに、
業界用語では略して
特建(とっけん)と言っています。

 

いしいさん
不特定多数が利用する建築物

 

特殊建築物以外の建築物とは?

上に書かれていない建築物のことです。

具体的には、
・一戸建ての住宅
・長屋
・事務所
・診療所(患者の収容施設がないもの)などです。

ざっくり言ってしまうと
利用する人が決まっている建築物のことです。

一戸建ての住宅は、住む人が決まっていますよね?
長屋は、一戸建て住宅がくっついたような形式なので、建築基準法では一戸建て住宅と同様に扱われています。
事務所は、従業員が働く場所なので、使う人が限られています。
診療所(患者の収容施設がないもの)は、地域の限られた人が利用するところです。

よって、これらは利用する人が限定されるので
特殊建築物ではないのです。

 

いしいさん
利用する人が決まっている建築物は、特殊建築物ではない

【重要】特殊建築物ならどうなるの?

不特定多数が利用するので、満たさなければならない基準が多くなります。

例えば、
・避難施設等
・非常用の照明装置
・非常用の進入口
・敷地内の避難上及び消火上必要な通路等
・防火区画
・内装制限
など

つまり、
災害が起きたときに、人が安全に避難できるようにしないといけないのです。

 

いしいさん
特殊建築物は多くの基準を満たさなければならない!

 

まとめ

特殊建築物とはざっくり言って次の2点です。

①不特定多数が利用する
②災害時に安全に避難できるように多くの基準を満たさないといけない

ちなみに、法令集で特殊建築物を引く手順はこちら↓をどうぞ

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