お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。
以前、確認検査機関の一日のルーティンについて書きました。
詳しくは、こちら↓をご覧ください。
お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。 今回は、 確認審査機関で審査担当していたころの 1日のルーティーンを紹介していきます。 (ちょっと前のユーチューバーの企画に乗じてみました。) &[…]
ここで書いている通り、確認検査機関への電話での問い合わせはめちゃくちゃ多いんです。
本当になんでも聞かれます。
(好きな食べ物はなんですか?彼女いますか?など・・・スイマセン。冗談です。)
そのなかに、軽微な変更に該当するかどうかの問い合わせがあります。
ちなみに、軽微な変更とはどういうものか、詳しくはこちらをどうぞ!
お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。 今回は、ぼくはけっこう悩んでしまう「軽微な変更」の判断基準についてです。 ざっくり結論をいうと 安全側の変更で、明らかに適合しているものが軽微な変更として扱うこと[…]
今回は、軽微な変更に関する問い合わせをランキング形式で紹介していきます。
ランキングは、このよう↓になります。
順位 | 内容 | 判定 |
第1位 | 配置の変更 | 計画変更 |
第2位 | 敷地面積の変更 | 軽微な変更or計画変更 |
第3位 | 開口部の変更 | 軽微な変更or計画変更 |
第4位 | 天井高さの変更 | 軽微な変更or計画変更 |
第5位 | 外構の変更 | 軽微な変更or計画変更 |
では、詳しく解説していきます。
第1位 配置の変更
結論は、計画変更です。
根拠は、規則3条の2第一号~第十五号のいずれにも該当しないからです。
なぜかこの問い合わせがめちゃくちゃ多かったです。
いかにも、他人任せな設計者なんだなあという感じがします。
第2位 敷地面積の変更
結論は
・敷地がそのまま形状を保ちつつ大きくなると、軽微な変更。
・敷地が増えても、敷地の一部が欠けてしまうような場合は、計画変更。
として扱う場合が多いです。
別の判断の仕方として、斜線が厳しくなる場合は、計画変更としていました。
ここはケースバイケースなので、判断に迷う場合は、根拠を持って事前に相談するのがベターだと思います。
第3位 開口部の変更
結論は、
・防火指定あり(防火地域又は準防火地域)で新しく開口部を作る場合は、計画変更。
・防火指定無し(いわゆる22条区域)で新しく開口部を作る場合は、軽微は変更。
となります。
理由は、防火指定ありで新しく開口部を作った場合には、原則その開口部には防火設備が必要となります。そのことをチェックしなければならないので計画変更になります。
防火指定無しのときは、開口部を作ったとしてもなにも関係がないので、軽微は変更となります。
ちなみに、防火指定ありで開口部の位置が変わる場合は、その位置がどのくらい変わるのかによって判断がつきずらいので、事前相談した方がベターです。
第4位 天井高さの変更
結論は、
・低くなった場合は、軽微な変更
・高くなった場合は、計画変更
です。
理由は、気積が変わってしますからです。
天井高さが高くなると気積が増えますよね?
その結果、24時間換気計算が変わってきて、換気計算の再検討が必要だからです。
ちなみに、賢い設計者は設計段階で、あえて天井を高めにして計算をしています。
そうすることによって、天井高さの変更、つまり気積が増加しても、再計算をしなくていいようにしているのです。
ぼくは、こういう設計者大好きです。あらかじめ対策をしておく。
いや~頭が下がります。
第5位 外構の変更
結論としては、原則 軽微は変更になります。
しかし、以下の2つの時は原則 計画変更になります。
①後退緩和が使えないような外構にしてしまった場合。
②天空率を利用していた場合。
①後退緩和が使えないような外構にしてしまった場合。
後退緩和を使って設計した場合、外構(門塀)は令130条の12に適合させなければなりません。
しかし、うっかり現場で門塀を高くしてしまいました。それによって令130条の12に適合しない場合は、後退緩和が使えないので、斜線の再検討が必要です。
よって計画変更になります。
②天空率を利用していた場合。
天空率の計算では、外構の高さを含めて計算します。なので、外構の高さが高くなってしまったら、再度天空率を検討する必要があるので計画変更になります。
ちなみに、賢い設計者は、あらかじめ外構を高めに設定し、計算してきます。
そうすることによって、外構の高さが変わったとしても計画変更にならないように配慮しています。
まさに先の先を見越した設計です。惚れ惚れしてしまいます。
さいごに
以上、【木造2階建て住宅】軽微な変更の問い合わせランキングについてでした。
計画変更になると、余計な手間や時間がかかってしまいます。
なので、変更が発生したときは、すぐに軽微か計画変更か調べるようにしましょう。
また、判断がつかないときは、根拠を持って事前相談しておきましょう。
ちなみに、ぼくのオススメは、あらかじめ余裕をもたせて設計しておくです。
そうすれば、計画変更にならず、軽微な変更で済ませることができるからです。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。