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「木造2階建ての兼用住宅(住宅+事務所など)」の確認申請でよくある指摘です。
それは、
「法35条~法35条の3の検討をしてください。」
別の言い方をすると、
「法35条~法35条の3に該当しないことを示してください。」
こういう指摘をされた時、具体的にはどうしたいいのか、条文を用いて解説していきます。
先に結論をいうと
・避難上の無窓居室
・内装制限上の無窓居室
・防火上の無窓居室この↑3つをまとめると
・採光計算1/20以上であること
・排煙計算1/50以上であること
これらの条件を満たせばOK
なぜ?根拠を知りたいって思ったあなた!これからの解説を読んでみてくださいね!
避難上の無窓居室
法35条(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)
別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が1000㎡をこえる建築物については、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラー、貯水槽その他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び進入口並びに敷地内の避難上及び消火上必要な通路は、政令で定める技術的基準に従つて、避難上及び消火上支障がないようにしなければならない。
解説
①別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物
②階数が3以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
③政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
④延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が1000㎡をこえる建築物
この4つのいずれかに該当する場合は、「第5章避難施設等」の規定を守らないければなりません。
では、木造2階建ての兼用住宅は、どれに該当する可能性があるでしょうか?
ずばり、③政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物です。
ということで、③に該当するのかしないのかをチェックします。
次は、令116条の2を見ていきます。
令116条の2(窓その他の開口部を有しない居室等)
法35条(法第87条第3項において準用する場合を含む。第127条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号の該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第20条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50以上のもの
2 省略
解説
一 面積(第20条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの
=採光計算1/20以上であること
二 開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50以上のもの
=排煙計算1/50以上であること
を示しています。
よって、
・採光計算1/20以上であること
・排煙計算1/50以上であること
(ちなみに、これを避難上の無窓居室といいます。)
この2つを満たせば、③政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物に該当しないのです。
つまり、法35条には該当しないので、「第5章 避難施設等」の規定は守らなくていいのです。
・排煙計算1/50以上であること
内装制限上の無窓居室
法35条の2(特殊建築物等の内装)
別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が1000㎡をこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井がない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。
解説
①別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物
②階数が3以上である建築物
③政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
④延べ面積が1000㎡をこえる建築物
⑤建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの
この5つのいずれかに該当する場合は、「令第128条の4 内装制限」の規定を守らないければなりません。
では、木造2階建ての兼用住宅は、どれに該当する可能性があるでしょうか?
ずばり、③政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物です。
ということで、③に該当するのかしないのかをチェックします。
次は、令128条の3の2を見ていきます。
令128条の3の2(制限を受ける窓その他の開口部を有しない居室)
法第35条の2(法第87条第3項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号のいずれかに該当するもの(天井の高さが6mを超えるものを除く。)とする。
一 床面積が50㎡を超える居室で窓その他の開口部の開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50未満のもの
二 省略
解説
一 床面積が50㎡を超える居室で窓その他の開口部の開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50未満のもの
=排煙計算1/50未満であること
を示しています。
よって、
・排煙計算1/50未満ではないこと→排煙計算1/50以上であること
(ちなみに、これを内装制限上の無窓居室といいます。)
この条件満たせば、③政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物に該当しないのです。
つまり、法35条の2には該当しないので、「令第128条の4 内装制限」の規定は守らなくていいのです。
防火上の無窓居室
法35条の3(無窓の居室等の主要構造部)
政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。ただし、別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途に供するものについては、この限りではない。
解説
政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、主要構造部を耐火構造や不燃材料で造らなければなりません。(つまり、RCなどにしなければいけないってことです。)
では、木造2階建ての兼用住宅が、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室に該当するのかしないのかをチェックします。
次は、令111条を見ていきます。
令111条(窓その他の開口部を有しない居室等)
法第35条の3(法第87条第3項において準用する場合を含む。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号のいずれかに該当する窓その他の開口部を有しない居室(避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室その他の居室であつて、当該居室の床面積、当該居室の各部分から屋外への出口の一に至る歩行距離並びに警報設備の設置の状況及び構造に関して避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するものを除く。)とする。
一 面積(法第20条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの
二 省略
解説
一 面積(法第20条の規定により計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの
=採光計算1/20以上であること
を示しています。
よって、
・採光計算1/20以上であること
(ちなみに、これを防火上の無窓居室といいます。)
この条件を満たせば、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室に該当しないのです。
つまり、法35条の3には該当しないので、「耐火構造など」にはしなくていいのです。
まとめると
表↓にしてみました。
避難上の無窓居室 | ・採光計算1/20以上であること ・排煙計算1/50以上であること |
内装制限上の無窓居室 | ・排煙計算1/50以上であること |
防火上の無窓居室 | ・採光計算1/20以上であること |
つまり、
「避難上の無窓居室」「内装制限上の無窓居室」「防火上の無窓居室」この3つをすべて満たすには、
・採光計算1/20以上であること
・排煙計算1/50以上であること
を示せばいいのです。
そうすることで、法35条~法35条の3の検討をしたことになります。
別の言い方をすると
法35条~法35条の3に該当しないことを示したことになるのです。
・排煙計算1/50以上であること
さいごに
【木2兼用住宅】「法35条~法35条の3」の検討をしてください?【結論:無窓の検討】についてでした。
結論は、
・避難上の無窓居室
・内装制限上の無窓居室
・防火上の無窓居室この↑3つをまとめると
・採光計算1/20以上であること
・排煙計算1/50以上であること
これらの条件を満たせばOK!
長々とした解説になってしまいましたね。すいません。
でも要は、
・採光計算1/20以上であること
・排煙計算1/50以上であること
これを示せばいいのです。
一度根拠が分かったあなたは、結論だけ覚えておきましょう!
さいごまでお読みいただきありがとうございました。
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