【意外と知らない】木2住宅のバルコニーの高さは1.1m必要でない理由

バルコニーの高さの条文は「令126条」は、施行令第5章第2節に規定されているから。

以上、結論でした。

こんにちは。いしいさん(@ishiisans)です。

木造2階建て住宅のバルコニーの高さは、1.1m以上にする必要がないことを知っていますか?

少し建築士の勉強をした人は、え!なんで?
計画のテキストには、1.1m以上って書いてあるよ!
法令集の令126条にも1.1m以上って書いてあるじゃんと突っ込まれそうです。

しかし、それは、間違いです。
理由は、前提条件があるからです。

では、このことを解説していきたいと思います。

 

いしいさん
知っていて損はない!

バルコニーの条文

令126条(屋外広場等)第1項

屋上広場又は2階以上の階にあるバルコニーその他こらに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

この条文を見ると
2階建てのバルコニーの高さは、1.1m以上としなければならないと
誰でも読むと思います。

確かに、この条文だけ読むとそのように判断してしまいます。

しかし、この条文が適用される前提条件まで読まないといけません。

 

いしいさん
ぱっと見で判断してはダメ!

 

法令集をさかのぼってみる

順番は以下の通りです。

・令126条は、第5章「避難施設等」の中の条文

・第5章は、第1節~第6節で構成されている。

・令126条は、その中の第2節「廊下、避難階段及び出入口」の条文。

・第2節の最初の条文である令117条「適用の範囲」を見る。

まとめると
令126条は、第5章第2節の中の条文であり、これが適用されるには、
令117条を見る必要があるということです。

令117条(適用の範囲)

 この節の規定は、法別表第1(い)欄1項から4項までに揚げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、前条第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が1000㎡をこえる建築物に限り適用する。(第1項)

つまり、第2節が適用されるのは、ざっくり言って次の4つです。

①別表第1に供する特殊建築物
②階数が3以上の建築物
③いわゆる無窓居室
④延べ面積が1000㎡をこえる建築物

この4つのうちどれか一つに該当すれば、バルコニーの高さは、1.1m以上としなければなりません。

逆に言うと、この4つに該当しなければ、バルコニーの高さは、1.1m以上としなくていいのです。

 

いしいさん
この4つをチェック!

たとえば、木造2階建て住宅は?

一般的な木造2階建て住宅は、上記の4つの条件のどれかに該当しますか?

①:特殊建築物ではないので該当しない。
②:階数が2なので該当しない。
③:無窓居室はないので該当しない。
④:延べ面積が1000㎡こえないので該当しない。

①~④の条件に該当しない。

よって、第2節は適用されない。
つまり、バルコニーの条文である令126条は、第2節の条文なので適用されない。

となるのです。

わかりましたか?

このように順番を追って見ていかないと引っかかってしまうのです。

 

いしいさん
きちんと順番を追ってね!

まとめ

木造2階建ての住宅のバルコニー高さを1.1m以上としなくていい理由は、

バルコニーの高さの条文「令126条」は、施行令第5章第2節に規定されているから。

建築士試験でもこの内容はあまり問われないので、知らない人も多いと思います。

実際、確認申請を提出したら、バルコニーの高さを明示してくださいと指摘されたとよく聞きます。

知らない人に遭遇したらやさしく教えてあげましょう!

きっと感謝されますよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。