【一級製図】「構造計算の方法」はどれにしたらいいの?【建築基準適合判定資格者が解説!】

お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。
いつもこのブログを読んでいただきありがとうございます。

 

今回は、一級建築士製図試験の「構造計算の方法」について考えてみました。

 

結論としては、

・3階建ての場合
「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOK!(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

・5階建ての場合
①高さが20mを超える場合は、許容応力度等計算をすればOK!(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)
②高さが20m以下の場合は、「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算。)

・7階建ての場合
許容応力度等計算をすればOK!(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

です。

 

では、解説していきますね!

 

「構造計算の方法」を調べる

「構造計算の方法」を調べるときは、法20条→令81条を順番に見ていきます。

 

これらをざっくりまとめると、このように↓なります。

法20条 令81条 構造計算の方法
一号 1項 時刻歴応答解析
二号 2項一号 保有水平耐力計算、限界耐力計算
2項二号 許容応力度等計算
三号 3項 許容応力度計算+屋根ふき材の検討
四号 4項 構造計算不要
※上位の「構造計算の方法」にもできる。

 

ちなみに、法20条一号~四号分け方については、こちら↓をどうぞ。

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過去問を見てみましょう

課題名 階数 面積
令和2年 高齢者施設 地上3階 2400㎡~3000㎡
令和元年(10月13日) 美術館の分館 地上3階 2000㎡~2400㎡
令和元年(12月8日) 1800㎡~2200㎡
平成30年 健康づくりのためのスポーツ施設 地上3階 2300㎡~2800㎡
平成29年 小規模なリゾートホテル 地下1階地上2階 2400㎡~2800㎡
平成28年 子ども・子育て支援センター(保育所、児童館・子育て支援施設) 地上3階 2000㎡~2500㎡
平成27年 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免振構造を採用した建築物である。) 地上5階建 2600㎡~3100㎡
平成26年 温浴施設のある「道の駅」 地上2階 1800㎡~2200㎡
平成25年 大学のセミナーハウス 地上2階 1500㎡~1800㎡
平成24年 地域図書館(段床形式の小ホールのある施設である。) 地下1階地上2階 1800㎡~2200㎡
平成23年 介護宋人保険施設(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) 地上5階 3400㎡~4000㎡
平成22年 小都市に建つ美術館 地上2階 1800㎡~2200㎡
平成21年 貸事務所ビル(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。) 地下1階地上7階 5200㎡~5800㎡
平成20年 ビジネスホテルとフィットネスクラブからなら複合施設 地下1階地上7階 6000㎡
平成19年 子育て支援施設のあるコミュニティーセンター 地上3階 2000㎡~2500㎡
平成18年 市街地に建つ診療所等のある集合施設(地下1階、地上5階建) 地下1階地上5階

 

3000㎡~3600㎡
平成17年 防災学習のできるコミュニティ施設 地上2階 1800㎡~2300㎡
平成16年 宿泊機能のある「ものづくり」体験施設 地上3階 2200㎡~2600㎡
平成15年 保育所のある複合施設 地下1階地上3階 2200㎡~2700㎡

 

つまり、ざっくり言って、この↓3パターンが多いです。

・地上3階建て
・地上5階建て

・地上7階建て

 

では、この3パターンについて、「構造計算の方法」はどれにしたらいいか考えてみます。

(ちなみに、構造は鉄筋コンクリート造とします。)

 

地上3階建て

地上3階建ての場合、階高を3m~4mとすると、この建築物の最高高さは、約10m~13mです。

 

では、
・地上3階建て
・鉄筋コンクリート造
・高さ10m~13m
の場合、どの構造計算を採用したらいいでしょう?

 

答えは、「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

 

理由は、法20条第三号に該当するからです。

 

ということで、

3階建ての場合は、「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

 

地上5階建て

地上5階建ての場合、階高を3m~4mとすると、この建築物の最高高さは、約16m~21mです。

 

では、
・地上5階建て
・鉄筋コンクリート造
・高さ16m~21m
の場合、どの構造計算を採用したらいいでしょう?

 

答えは、2パターンあります。

①高さが20mを超える場合は、許容応力度等計算をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)
②高さが20m以下の場合は、「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

 

理由は、
①の場合は、法20条第二号
②の場合は、法20条第三号
に該当するからです。

 

ということで、

5階建ての場合は、
①高さが20mを超える場合は、許容応力度等計算をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)
②高さが20m以下の場合は、「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算。)

 

地上7階建て

地上7階建ての場合、階高を3m~4mとすると、この建築物の最高高さは、約22m~29mです。

 

では、
・地上7階建て
・鉄筋コンクリート造
・高さ22m~29m
の場合、どの構造計算を採用したらいいでしょう?

 

答えは、許容応力度等計算をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

 

理由は、法20条第二号に該当するからです。

 

ということで、

7階建ての場合は、許容応力度等計算をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

 

さいごに

以上、【一級製図】「構造計算の方法」はどれにしたらいいの?についてでした。

 

結論は、

・3階建ての場合
「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOK!(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

・5階建ての場合
①高さが20mを超える場合は、許容応力度等計算をすればOK!(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)
②高さが20m以下の場合は、「許容応力度計算+屋根ふき材の検討」をすればOKです。(もちろん、これよりも上位の構造計算。)

・7階建ての場合
許容応力度等計算をすればOK!(もちろん、これよりも上位の構造計算もOKです。)

です。

 

製図試験では、法令集を見ることができないので、このことは覚えておきましょう!

 

さいごまでお読みいただきありがとうございまし。
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