【違い】「防火設備」と「10分間防火設備」【結論:時間です。】

こんにちは。いしいさん(@ishiisans)です。

前回のブログで、「防火設備」と「20分間防火設備」の違いについて解説しました。

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今回も、違いシリーズです。

「防火設備」と「10分間防火設備」の違いについてです。

結論は、

防火設備    ・・・20分間火災に耐えればOK
10分間防火設備・・・10分間火災に耐えればOK

なので,

違いは、時間だけです。

では、条文を用いて詳しく解説していきます。

防火設備

法第2条第九号の二ロ→令109条の2の順番で見ていきます。

法第2条第九号の二ロ

その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第27条第1項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

解説

つまり、
防火設備には、遮炎性能があればいいということです。

遮炎性能は、令109条の2に書いてあります。

令第109条の2(遮炎性能をに関する技術的基準)

法第2条第九号の二ロの政令で定める技術的基準は、防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものであることとする。

解説

つまり、遮炎性能とは、20分間火炎に耐える性能です。

よって上記2つをまとめると

防火設備は、20分間火災に耐える性能が必要なのです。

 

防火設備は、20分間火災に耐える性能が必要。

10分間防火設備

この定義は、令112条第12項の条中に書いてあります。
ちなみに、この12項は、小規模建築物の竪穴区画です。

3階以上を病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)次項において同じ。)又は児童福祉施設等(入所する者の寝室があるものに限る。同項において同じ。)の用途に供する建築物のうち階数が3で延べ面積200㎡未満のもの(前項に規定する建築物を除く。)の竪穴部分については、当該竪穴部分以外の部分と間仕切壁又は法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で区画しなければならない。ただし、居室、倉庫その他これらに類する部分にスプリンクラー設備その他これらに類するものを設けた建築物の竪穴部分については、当該防火設備に代えて10分間防火設備(第109条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交大臣の定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。第19項及び第121条第4項第一号において同じ。)で区画することができる。

解説

赤でマーカーしてあるところが、10分間防火設備の定義です。

つまり、
10分間防火設備は、10分間火災に耐える性能があればいいのです。

 

10分間防火設備は、10分間火災に耐える性能が必要。

比較してみましょう

「防火設備」と「10分間防火設備」の条文をそれぞれ、一部抜粋してみました。

防火設備 通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないもの
10分間防火設備 通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないもの

 

どうでしょう?見比べてみて下さい。

ほぼ同じですよね。

違うのは、時間のみです。

 

さいごに

以上、【違い】「防火設備」と「10分間防火設備」【結論:時間です。】についてでした。

結論は、

防火設備    ・・・20分間火災に耐えればOK
10分間防火設備・・・10分間火災に耐えればOK

となります。

この10分間防火設備は、小規模建築物の条文が出来たことによって、
近年あたらしくできたものです。

実務でも、さほど使うことはないと思います。

しかし、知識として蓄えておきましょう!

知は力なり!です。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。