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今年は、「採光計算」が出題される可能性が高いです。
ということで、今回は、採光計算について解説していきます。
採光計算とは結局なにをやりたいかと言うと、
有効採光面積≧必要採光面積
この関係を満たせば良いのです。
そして、
・有効採光面積=開口部の面積×採光補正係数
・必要採光面積=居室の面積×割合
で計算します。
たったこれだけです。なので、採光計算が出るからと言ってビビる必要はありませんからね!
では、条文を用いて解説していきますね。
有効採光面積≧必要採光面積
法28条(居室の採光及び換気)第1項を読んでいきましょう。
住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のために有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては1/7以上、その他の建築物にあつては1/5から1/10までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りではない。
解説
細い赤、黄色、緑でマーカーをしてみました。そこだけ抜粋すると
建築物で政令で定めるものの居室には、採光のために有効な部分の面積は、居室の床面積に対して、政令で定める割合以上としなければならない。
となります。
では、ポイントを3つ見ていきます。
ポイント① 採光計算の対象は、居室のみ
出だしの細い赤でマーカーをしたところを見てください。
建築物で政令で定めるものの居室には、
と書かれています。
よって、
採光計算の対象は、居室のみになるのです。
倉庫などには採光計算は、不要なのです。
ポイント② 有効採光面積
黄色でマーカーをしたとこを見てください。
採光のために有効な部分の面積は、
と書いてありますよね。
これが、いわゆる「有効採光面積」のことを示しているのです。
そして、まだここには、有効採光面積の計算方法は、書かれていません。
(令20条に書かれています。)
ポイント③ 必要採光面積
緑でマーカーをしたところを見てください。
居室の床面積に対して、割合
と書いてありますよね。
これが、いわゆる「必要採光面積」のことを示しているのです。
そして、この必要採光面積の計算方法は、ここに書いてある通り、居室の床面積×割合になるのです。
ちなみにこの割合は、住宅の場合は1/7、その他の居室については、令19条第3項より1/5~1/10となっています。
ポイント①~③をまとめると
・採光計算の対象は、居室のみ。
・有効採光面積≧必要採光面積
・有効採光面積の計算方法は、令20条。
・必要採光面積=居室の床面積×割合
となるのです。
まずは、このことを覚えちゃいましょう!
次は、有効採光面積の計算方法、つまり、令20条第1項を見ていきます。
【令20条第1項】有効採光面積の計算方法
法第28条第1項に規定する居室の窓その他の開口部(以下この条において「開口部」という。)で採光で有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定するものとする。ただし、国土交通大臣が別に算定方法を定めた建築物の開口部については、その算定方法によることができる。
解説
黄色でマーカーをしたところを見てください。そこだけ抜粋すると、
採光で有効な部分の面積は、開口部ごとの面積に、採光補正係数を乗じ
となります。
つまり、
有効採光面積=開口部の面積×採光補正係数
で計算するのです。
では次は、採光補正係数の計算方法を見ていきます。
条文は、令20条第2項です。
【令20条第2項】 採光補正係数の計算方法
前項の採光補正係数は、次の各号に掲げる地域又は区域の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより計算した数値(天窓にあつては当該係数に3.0を乗じて得た数値、その外側に幅90cm以上の縁側(ぬれ縁を除く。)その他これらに類するものがある開口部にあつては当該数値に0.7を乗じて得た数値)とする。ただし、採光補正係数が3.0を超えるときは、3.0を限度とする。
一 (省略)
二 (省略)
三 (省略)
解説
この令20条第2項には、一号から三号まであります。
つまり、採光補正係数の計算方法が3パターンあるのです。
この3パターンは、用途地域によって変わってきます。
この3パターンを表にしてみました。
用途地域 | 計算方法 | |
一号 | 住居系 | D/H×6.0-1.4 |
二号 | 工業系 | D/H×8.0-1.0 |
三号 | 商業系 | D/H×10-1.0 |
では次は、DとHを説明します。
言葉では伝えにくいので、図にしてみました。
例えば、1階の居室の採光補正係数を求めたいときのDとHは、図のようになります。
つまり、簡単に言うと
Dは、建築物のから隣地境界線までの水平距離
Hは、建築物の上部から開口部の中心までの垂直距離
なのです。
採光補正係数の最大値のルール
採光補正係数には、最大値のルールがあります。
もう一度令20条第2項を見てください。「だたし書き」がありますよね?!
ただし、採光補正係数が3.0を超えるときは、3.0を限度とする。
つまり、計算した採光補正係数が、5であっても、10であっても、100であっても
Max3となるのです。
このルール見落としやすいので注意しておきましょう!
さいごに
以上、【製図で使う!】採光計算の根拠を条文を用いて解説してみた。でした。
結論
採光計算は、
有効採光面積≧必要採光面積
を満たせば良い。
そして、
・有効採光面積=開口部の面積×採光補正係数
・必要採光面積=居室の面積×割合
で計算する。
たったこれだけのことが条文では、長々と書いてあるのです。
なので、結論を覚えて3回くらい練習すれば誰でもできるようになります。
採光計算なんて楽勝です!ビビらなくて大丈夫ですよ!
さいごまでお読みいただきありがとうございました。
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