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【第1弾】【初心者向け】似てるけど違う?建築基準法の紛らわしい用語を対比でスッキリ解説!

いしいさん
建築基準法の理解を深める近道は「対比」にあり!
紛らわしい用語も、違いを意識すれば驚くほどクリアになります。
この記事では、重要用語の対比リストを多数掲載。サクッと読んで建築知識をアップデート!

◆ 基本のキ!法体系のハナシ ◆

  • 法 (建築基準法) vs 令 (建築基準法施行令)

    • 法: 建築物のルールに関する 基本方針・大枠 を定めたもの。「こういう目的のために、こういう基準を満たしなさい」という骨組み。
    • 令: 法で定められたことを実現するための、具体的な技術基準や手続きの詳細 を定めたもの。「具体的には、こういう構造にしなさい」という肉付け。

  • 単体規定 vs 集団規定

    • 単体規定: 建物「そのもの」の安全性や衛生に関するルール。原則として 日本全国どこでも適用 される。(例:構造耐力、防火性能、採光)
    • 集団規定: 建物と「まち(周囲の環境)」との調和を図るルール。主に 都市計画区域内などで適用 され、地域によって内容が異なる。(例:用途地域、建蔽率、高さ制限)

◆ 建物の種類や工事のハナシ ◆

  • 新築 vs 増築 vs 改築

    • 新築: 何もない敷地に 新たに 建てること。
    • 増築: 既存の建物の 床面積を増やす こと。(例:部屋を付け足す)
    • 改築: 床面積を変えずに、構造部分などを一旦壊して 造り替える こと。

  • 大規模の修繕 vs 大規模の模様替

    • 大規模の修繕: 主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の 半分以上を「直す」 こと。(≒ 原状回復)
    • 大規模の模様替: 主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の 半分以上を「変える」 こと。(≒ リフォーム・リノベーション)

◆ 大きさ・面積のハナシ ◆

  • 建蔽率 (けんぺいりつ) vs 容積率 (ようせきりつ)

    • 建蔽率: 敷地面積に対する 「建築面積」 の割合。敷地内にどれだけ空地を残すか、という平面的な制限。
    • 容積率: 敷地面積に対する 「延べ面積」 の割合。建物の立体的なボリューム(床面積の合計)の制限。

  • 建築面積 vs 延べ面積 (延床面積)

    • 建築面積: 建物を 真上から見たときの面積(ざっくり言うと1階の広さ+α)。建蔽率の計算に使う。
    • 延べ面積: 建物の 各階の床面積の合計。容積率の計算に使う。(※駐車場など、一部算入しない部分あり)

◆ 火事や災害に備えるハナシ ◆

  • 耐火建築物 vs 準耐火建築物

    • 耐火建築物: 主要構造部が耐火構造。通常の火災が終わるまで、倒壊したり燃え広がったりしない。最も火に強い。
    • 準耐火建築物: 主要構造部が準耐火構造。火災発生後、一定時間(例: 1時間)は倒壊・延焼しない。耐火建築物に次いで火に強い。

  • 防火地域 vs 準防火地域

    • 防火地域: 市街地の火災拡大防止のため、最も厳しい建築制限(原則、耐火建築物など)が課されるエリア。主に都心部や幹線道路沿い。
    • 準防火地域: 防火地域に準じて、厳しい建築制限 が課されるエリア。防火地域の周辺など。

  • 耐火構造 vs 防火構造

    • 耐火構造: 建物の 骨組み自体が火に耐える 構造。柱、梁、床、壁などが一定時間燃えない・壊れない。
    • 防火構造: 主に外壁や軒裏で、周りからの延焼(もらい火)を防ぐ 構造。

  • 防火設備 vs 特定防火設備

    • 防火設備: 火災時に約 20分間、炎の貫通を防ぐ防火戸や防火シャッターなど。
    • 特定防火設備: 火災時に約 60分間、炎の貫通を防ぐ防火戸や防火シャッターなど。防火区画など、より高い性能が必要な場所に使う。

  • 避難階段 vs 特別避難階段

    • 避難階段: 屋内や屋外にある、避難に使うための普通の階段。
    • 特別避難階段: 階段室の前に 「付室」(煙が入らない小部屋)やバルコニーがある階段。煙の侵入をより強力に防ぐ。

◆ 手続きやルールのハナシ ◆

  • 確認申請 vs 完了検査

    • 確認申請: 工事を始める 「前」 に、設計図面がルールに合っているかチェックを受ける手続き。
    • 完了検査: 工事が終わった 「後」 に、申請した図面通りに建物が完成しているかチェックを受ける手続き。

  • 確認済証 vs 検査済証

    • 確認済証: 確認申請がOKとなり、「工事を始めて良いですよ」という証明書。
    • 検査済証: 完了検査に合格し、「建物を使っても良いですよ」という証明書。 これが無いと原則使えない!

  • 違反建築 vs 既存不適格建築

    • 違反建築: 建てた時点、または今の時点で、建築基準法に違反している 建物。(=ルール違反)
    • 既存不適格建築: 建てた時点では適法だったが、その後の法改正で今のルールに合わなくなった 建物。(すぐに違法ではないが、増改築時に注意が必要)

  • 建築主事 vs 特定行政庁

    • 建築主事: 確認申請などを審査する専門の職員(都道府県や市町村にいる)。
    • 特定行政庁: 建築主事を置いている都道府県知事や市町村長のこと。許可や認定などの権限を持つ行政機関。

  • 主要構造部 vs 構造耐力上主要な部分

    • 主要構造部: 壁、柱、床、はり、屋根、階段。(防火や修繕・模様替の規定でよく出てくる)
    • 構造耐力上主要な部分: 基礎、壁、柱、床版、屋根版など、地震や衝撃を支える部分。(構造計算で重要)※範囲は似ているが定義・目的が違う。

  • 居室 vs 非居室

    • 居室: リビング、寝室、オフィスなど、人が継続的に使用する部屋。採光・換気などのルールがある。
    • 非居室: 廊下、階段、トイレ、浴室、倉庫など、居室以外の部分。

まとめ

いかがでしたか? 似ているようで違う建築基準法の用語も、こうして対比してみると、それぞれの役割や意味の違いが見えてきたのではないでしょうか。

もちろん、ここに挙げたのはほんの一部で、建築基準法はさらに奥が深いです。

このブログが、皆さんの建築基準法への理解を少しでも深めるきっかけになれば、とても嬉しいです!