以上、結論でした。
こんにちは。いしいさん(@ishiisans)です。
は?どういうこと?
壁量計算してるよ!って
つっこみが入るかもしれません。
しかし、
壁量計算は、構造計算ではないのです。
「計算」とついていますが、構造計算とは別ものです。
実は、私も働き始めたとき知りませんでした。知らないまま仕事してました。
誰も教えてくれないし、習うよりなれろっていう職場だったので。
まじでブラックでした。(ブラックサンダーのアイスはめちゃくちゃおいしいです。セブン限定です。)
というわけで
木造2階建て住宅は、「構造計算が不要な理由」を解説していきます。
条文の構成
構造に関する条文を読むときは
次の流れで読みます。
①法第20条➔②令第81条➔③令第36条
①法第20条で建築物の規模によって一号~四号の4つに分類します。
②令第82条には、規模によって分類した建築物は、どういう構造計算をしないといけないかが書いてあります。
③令第36条には、採用した構造計算は、どういった仕様規定を守らなければならいかが書いてあります。
では、木造2階建て住宅の場合は、どのような流れになるか具体的に見ていきます。
例 木造2階建て住宅
①法第20条第1項の一号~四号のどれに分類できるか?
一号 | 60m越えの超高層建築物 |
二号 | 60m以下の建築物で、法第6条第1項第二号に揚げ建築物(高さが13m越え又は軒の高さが9mを超えるものに限る)又は、同項第三号に揚げる建築物(地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物、高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物その他政令で定める建築物に限る。) |
三号 | 高さが60m以下の建築物のうち、法第6条第1項第二号又は第三号に揚げる建築物その他その狩猟構造部(床、屋根及び階段を除く。)を石造、れんが造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造とした建築物で高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの(前号に揚げる建築物を除く。) |
四号 | 前3号に揚げる建築物以外の建築物 |
ずばり、四号に該当します。
②令第81条でどういった構造計算になるかを見ていくと?
1項 | 法第20条第1項第一号 | 時刻歴応答解析 |
2項 | 法第20条第1項第二号イ | 保有水平耐力計算、限界耐力計計算、許容応力度等計算 |
3項 | 法第20条第1項第三号イ | 令第82条各号及び令第82条の4に定めるところによる構造計算 |
つまり、
法第20条第1項第一号~第三号のいずれかに該当した場合は、構造計算が必要ということです。
逆にいうと、
法第20条第1項第四号に該当した場合の構造計算については、書かれていないので、不要ということになります。
この、書いていないから不要という読み方は建築基準法を読むときに使うワザなので覚えておくといいかも。
むしろ、賢い設計者は、これをよく使ってきます。
令第36条を見ていくと?
1項 | 時刻歴応答解析 | 耐久性等関係規定 |
2項一号 | 保有水平耐力計算 | 一部を除く仕様規定 |
2項二号 | 限界耐力計算 | 耐久性等関係規定 |
2項三号 | 許容踏力度等計算 | 仕様規定 |
3項 | その他 | 仕様規定 |
つまり、3項に該当するので、仕様規定を守ればいいのです。
仕様規定で木造に関することは、第3節(令40条~令49条)です。
なので以下の内容を満たせばいいのです。
令40条 | 適用の範囲 |
令41条 | 木材 |
令42条 | 土台及び基礎 |
令43条 | 柱の小径 |
令44条 | はり等の横架材 |
令45条 | 筋かい |
令46条 | 構造耐力上必要な軸組み |
令47条 | 構造耐力上主要な部分である継手又は仕口 |
令48条 | 学校の木造の校舎 |
令49条 | 外壁内部当の防腐措置等 |
このなかで
実務で壁量計算と言っているのは
令46条「構造耐力上必要な軸組み」のことなのです。
この条文の中には、どこにも壁量計算というコトバは出てきません。
私たちが実務でこの条文のことを便宜上「壁量計算」と読んでいるだけなのです。
壁量計算は、正確には、「構造耐力上必要な軸組み」あり、構造計算ではないのです。
まとめ
以上、木造2階建ての住宅は構造計算が不要な理由でした。
私たちが実務上、壁量計算と言っているのは、仕様規定の令46条「構造耐力上必要な軸組み」のことを指しています。壁量計算は、計算というコトバが入っていますが、構造計算ではないのです。
確認検査機関の審査担当者は、このことを知っています。(きっと。おそらく。たぶん。)
なので、いわるゆ壁量計算の資料を添付してほしいときは
令46条の検討をして下さいと、きちんとコトバを使い分けています。
言葉の使い方には、意味があります。
普段何気なく使っている言葉についてもう少し深く考えてみると新しい発見があるかもしれません。
気づいたことがあれば教えて下さいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。