【これなら分かる!】法20条に線引きしてみた。

お勤めご苦労さまです。いしいさん(@ishiisans)です。
いつもこのブログを読んでいただきありがとうございます!

 

構造の条文を理解するうえで、初めにチェックしなければいけないのが法20条です。

 

法20条第1項には、一号~四号まであります。
全ての建築物は、規模によって一号~四号のいずれかに分類することができます。

 

この一号~四号のどれに該当するかが判断できれば、
それぞれどういう構造計算にしなければならないか、
また、どういう仕様規定を守らなければならないかがスムーズに理解することができます。

 

ちなみに、構造計算と仕様規定の関係はこちら↓をどうぞ。

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逆にいうと、法20条1項一号~四号のどれに該当するか判断できなければ、その先は絶対に分からないようになっているのです。

 

ということで、今回は、法20条第1項一号~四号のどれに該当するか判断しやすくするために、
法20条にマーカーを引いてみました。

 

この分類が苦手なんだよな~って思っているあなた!
ぜひ参考にしてみて下さい。

 

 

 

第一号

高さが60mを超える建築物  当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。この場合においては、その構造方法は、荷重及び外力によつて建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算によつて安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであること。

 

解説

赤でマーカーを引いてみました。

 

つまり、一号に該当するものは、「高さが60mを超える建築物」です。

 

いわゆる超高層建築物です。これ1つだけです。

 

ここは、日本語が読めれば問題ないでしょう。

 

 

高さが60mを超える建築物

 

 

 

読みにくいのは、次の二号と三号です。

 

第二号

高さが60m以下の建築物のうち、第6条第1項第二号に掲げる建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものに限る。)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄筋鉄骨コンクリート造の建築物その他これらの建築物に準ずるものとして政令で定める建築物に限る。) 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。

イ 省略

ロ 省略

 

解説

/グレー//での4色でマーカーをしてみました。

 

つまりざっくり言って、二号に該当する建築物は、4つあるのです。

 

具体的には、次の4つです。

高さが60m以下の建築物のうち、

第6条第1項第二号に掲げる建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものに限る。)

地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物

高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄筋鉄骨コンクリート造

政令で定める建築物

 

②と③は文字通りなので問題ないでしょう。

 

少し読みにくいのが①と④だと思います。
では、①と④についてもう少し詳しく見ていきます。

第6条第1項第二号に掲げる建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものに限る。)

第6条第1項二号に掲げる建築物とは、ざっくり言って、木造の建築物を示しています。

 

よって、
第6条第1項第二号に掲げる建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものに限る。)=木造の建築物で高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

と読むことができます。

 

政令で定める建築物

この政令は、令36条の2を指しています。

では令36条の2を見ていきましょう。

 

令36条の2(地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物等に準ずる建築物)

法第20条第1項第二号の政令で定める建築物は、次に掲げる建築物とする。

 地階を除く階数が4以上である組積造又は補強コンクリートブロック造

 地階を除く階数が3以下である鉄骨造の建築物であつて、高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

 鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造とを併用する建築物であつて、高さが20mを超えるもの

 木造、組積造、補強コンクリートブロック造若しくは鉄骨造のうち2以上の構造を併用する建築物又はこれらの構造のうち1以上の構造と鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造とを併用する建築物であつて、次のイ又はロのいずれかに該当するもの

イ 地階を除く階数が4以上である建築物

ロ 高さが13m又は軒の高さが9mを超える建築物

 前各号に掲げるもののほか、その安全性を確かめるために地震力によつて地上部分の各階に生ずる水平方向の変形を把握することが必要であるものとして、構造又は規模を限つて国土交通大臣が指定する建築物

 

一号~五号までありますね。つまり、令36条の2には、法20条第1項二号に該当する建築物が5つ書いてあるということです。

 

ただし、建築士試験や実務でよく出てくるのは、第二号です。

 

なので、上記のように、第二号に緑でマーカーをしておくといいでしょう。

 

 

高さが60m以下の建築物のうち、

第6条第1項第二号に掲げる建築物(高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものに限る。)

地階を除く階数が4以上である鉄骨造の建築物

高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄筋鉄骨コンクリート造

政令で定める建築物(令第36条の2)

 

 

 

第三号

高さが60m以下の建築物のうち、第6条第1項第二号又は第三号に掲げる建築物その他その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)を石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造その他これらに類する構造とした建築物で高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの前号に掲げる建築物を除く。 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。

イ 省略

ロ 省略

解説

/でマーカーをしてみました。

つまりざっくり言って、第三号に該当するものは、2つあるのです。

具体的には、次の2つです。

高さが60m以下の建築物のうち、

第6条第1項第二号又は第三号に掲げる建築物

主要構造部を石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造その他これらに類する構造とした建築物で高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

 

ただし、この①②には、注意点があります。

 

それは、細い青でマーカーしたところです。

 

何と書いてありますか?

 

前号に掲げる建築物を除く。と書いてありますよね?

 

つまり、第三号に該当するものの大前提として、「第一号と第二号に該当しないもので」という条件がついてくるのです。

 

ここを読み飛ばしてしまうと、さっぱり分からなくなってしまいます。
絶対に読み飛ばさないようにしましょう!!!

 

高さが60m以下の建築物のうち、

第一号と第二号に該当しないもので

第6条第1項第二号又は第三号に掲げる建築物

主要構造部を石造、れんが造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造その他これらに類する構造とした建築物で高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの

 

 

 

第四号

前3号に掲げる建築物以外の建築物  次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。

イ 省略

ロ 省略

 

解説

赤でマーカーをしてみました。

 

つまり、第四号に該当するものは、前3号に掲げる建築物以外の建築物です。

 

言い換えると
第一号、第二号、第三号に該当しないもの他すべてが第四号に該当するのです。

 

四号には、具体的な規模は書かれていないのです。一号~三号に該当しなければ、自動的に四号になるのです。

 

前3号に掲げる建築物以外の建築物

 

 

 

さいごに

以上、【これなら分かる!】法20条に線引きしてみた。についてでした。

 

どうでしたか?
色分けしてアンダーラインをしておけば、断然わかりやすくなったでしょう?

 

法20条は、構造関係の条文を読むうえで避けては通れません。
なので、必ず読めるようにしましょう!!!

 

長くなりましたが、さいごまでお読みいただきありがとうございました。