「敷地内通路」って何?二級建築士製図試験を受ける人へ

Architecture / Exam Glossary

「敷地内通路」って何?

二級建築士製図試験を受ける人へ

「敷地内通路」という言葉、二級建築士の試験勉強をしていると一度はぶつかる壁だと思う。聞き慣れない言葉だけど、考え方はすごく簡単だ。今回はこれをやさしく説明していきたい。

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まず、ひとことで言うと

敷地内通路とは、火事のときに家から道路まで安全に逃げるための、敷地の中の通り道のことだ。建築基準法施行令第128条に定められている。

家の中から外に出たあと、すぐに道路に出られるとは限らない。庭を通ったり、建物の横を回ったりして、ようやく道路に出られる、という家もある。そのときの家の出口から道路までの道が狭すぎると、逃げるときに人がぎゅうぎゅうになってしまって危ない。だから法律で、ある程度の幅を確保してね、と決められているわけだ。

学校の避難訓練を思い出してみるとイメージしやすい。教室から校庭に出るとき、廊下が狭すぎたり、途中に物が置いてあって通りにくかったりすると、みんながスムーズに逃げられない。敷地内通路も同じ考え方で、家の出口から道路までの通り道をいつもちゃんと空けておいて、誰でもスムーズに歩いて逃げられるようにしておく、というだけのルールなのだ。

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どれくらいの幅が必要なのか

敷地内通路の幅の違い(0.9mと1.5m)
Fig. — 敷地内通路の幅の違い(0.9mと1.5m)

基本のルールは幅1.5m以上だ。だいたい、人がすれ違ってもぶつからないくらいの広さ、と考えるとイメージしやすい。

でも実は、小さい家ならもっと狭くてもいいという特別ルールがある。3階建てまでで、かつ建物の広さが200㎡(だいたい60坪くらい)より小さい家なら、0.9m以上でいいことになっている。0.9mというのは、だいたい大人が一人、ゆったり歩けるくらいの幅だ。

この緩和ルールは、もともとあった規定ではない。2020年(令和2年)4月の建築基準法改正で新しく追加されたものだ。それまでは規模を問わず1.5m以上が必要だったが、狭い敷地に建つ小さな住宅にとっては、1.5mという幅が建物の計画に対して過剰に広すぎる、という問題があった。そこで「小さい建物は中にいる人数も少ないから、避難のときに通路で混雑しにくい」という考え方にもとづいて、規模が小さい建物に限って0.9mまで緩めることになった、という経緯がある。

建物の条件 必要な通路の幅
3階以下 かつ 延べ面積200㎡未満 0.9m以上
それ以外(上記に当てはまらない場合) 1.5m以上

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今年の試験でなぜ大事なのか

今年の課題は「商店街に建つ併用住宅(木造3階建て)」だ。実はこの「3階建て」という部分が、敷地内通路のルールが関係してくる直接のスイッチになっている。法律では、3階建て以上の建物は避難のための通路をしっかり考えてね、と決められているからだ。つまり今年の課題は、敷地内通路を必ず検討しなければいけない建物だということになる。

ここで考えるべきポイントはひとつだけで、この建物の延べ面積、つまり建物全体の広さが200㎡を超えているかどうかだ。超えていなければ通路の幅は0.9mでよく、超えていれば1.5m必要になる。

商店街に建つお店付きの住宅だと、お店の広さと住宅の広さを合計すると、意外と200㎡に近づいたり超えたりすることがある。だからエスキスをするときに、この建物の延べ面積は何㎡になりそうかというのを早めに計算しておくと、通路の幅をどう確保するか、最初から計画に入れやすくなる。

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まとめ

敷地内通路は、難しく考えなくていい。火事のときに、家の出口から道路まで、ちゃんと歩いて逃げられる道を、敷地の中に用意しておく、というだけのルールだ。今年の課題は3階建てだから、このルールの対象になる。

あとは自分が設計する建物が200㎡を超えるかどうかで、必要な幅が0.9m1.5mかが決まる、というシンプルな分岐を覚えておけば大丈夫だ。

References

  • e-Gov法令検索「建築基準法施行令 第128条(敷地内の通路)」 elaws.e-gov.go.jp

※本記事は2026年6月時点の公開情報をもとに作成しています。実際の出題内容・設計条件は、必ず試験当日の問題文と公益財団法人建築技術教育普及センターの公式発表をご確認ください。