製図試験の法規、何からどう勉強すればいい?このシリーズの読む順番ガイド【二級建築士製図試験対策】

Architecture / Study Guide

製図試験の法規、何からどう勉強すればいい?
このシリーズの読む順番ガイド

二級建築士製図試験を受ける人へ

製図試験の勉強を始めたとき、多くの人が最初につまずくのが「法規」だ。学科試験の法規とは何が違うのか、どの条文が試験に関係するのか、「計画の要点等」に何を書けばいいのか——最初はなにもわからなくて当然だ。

このシリーズは、今年の課題「商店街に建つ併用住宅(木造3階建て)」に直結する法規だけに絞って書いている。闇雲に法令集を読む必要はない。このシリーズを順番通りに読めば、試験に必要な法規の全体像がつかめる。

読む前に3つだけ覚えておいてほしい。

ポイント 1

学科の法規と製図の法規は、使い方がまったく違う。学科は「正しい選択肢を選ぶ」ための法規だが、製図は「なぜそう設計したかを説明する」ための法規だ。条文を暗記する必要はなく、考え方を理解することが大切だ。

ポイント 2

製図試験で法規が関係する場面は2つだけだ。①エスキス(設計の方針を決める)のとき、建蔽率・容積率・採光などを確認する。②「計画の要点等」を記述するとき、なぜその設計にしたかを法規の根拠とともに説明する。この2つのために法規を学ぶと思っておけばいい。

ポイント 3

今年から法令集の持ち込みが解禁されたが、それは「楽になる」という話ではない。法令集を引いて確認できる状態にするには、どこに何が書いてあるかを大まかに知っておく必要がある。このシリーズはその地図代わりになる。

STEP 1

まずここから:課題の全体像をつかむ

個別の法規の話に入る前に、今年の課題がどんな建物で、どんな法規が関係してくるのかを大まかに理解しておこう。この2記事を読むだけで、「何を勉強すべきか」の方向性がぐっとはっきりする。


01

「商店街に建つ併用住宅」、法規だけ見てもこんなに濃い!

令和8年度・二級建築士設計製図試験を読む


02

「併用住宅」と「兼用住宅」の違いを解説

課題名にある「併用住宅」という言葉の法律上の意味と設計への影響


STEP 2

敷地・外形に関わる法規

エスキスで最初に決める必要があるのが、建物の大きさと形だ。建蔽率・容積率・斜線・敷地内通路は、プランを描き始める前に必ず確認しなければいけない数字ばかりだ。ここを間違えると設計条件違反になる。

03

「敷地内通路」って何?

建物の出口から道路まで必要な通路幅(令128条)。3階建てでは必ず検討が必要

04

「建蔽率」って何?準防火地域×準耐火建築物で10%緩和される理由を解説

今年の課題では準耐火建築物にすることで建蔽率が緩和できる(法53条)

05

「容積率」って何?前面道路の幅がなぜ関係してくるのかを解説

道路が狭いと容積率が下がることがある。延べ面積の上限を正確に把握する(法52条)

06

道路斜線制限とは?計算方法と勾配の違いを解説

建物の高さに関わる斜線制限。北側・隣地斜線は今年の課題では問題にならない(法56条)


STEP 3

防火・区画に関わる法規

商店街に建つ3階建てというだけで、防火に関する複数の規定が関係してくる。これが今年の課題の法規面での最大のテーマだ。順番通りに読むと「地域の指定→建物の構造→区画の要否」という流れで理解が積み上がる。

07

準防火地域と準耐火建築物の違いを解説

なぜ商店街の3階建ては準耐火建築物にしなければいけないのか(法61・62条)

08

「竪穴区画」って何?準耐火建築物×3階建てなら必要になる?

階段まわりを囲う防火区画のルール。条件次第で免除できる(令112条11項)

09

「異種用途区画」って何?住宅と店舗の間の防火区画を解説

住宅と店舗の間に防火区画は必要か。今年の課題規模では不要になるケースが多い(令112条18項)


STEP 4

居室の法規:採光と換気

住宅の居室には「光」と「空気」を確保するルールがある。採光計算は製図試験でも「計画の要点等」の記述対象になりやすい。商店街という立地が採光にどう影響するかまで理解しておきたい。

10

採光計算って何?有効採光面積と補正係数をやさしく解説

住宅の居室には床面積の1/7以上の有効採光面積が必要(法28条・令19条)

11

番外編:店舗に採光計算が不要な理由とは?

採光義務は住宅・学校・病院等の居室のみ。なぜ店舗は対象外なのかを条文で解説(令19条)


STEP 5

構造:今年の課題に必要な計算はどれか

木造3階建ては実務では許容応力度計算書が必要な建物だ。試験で計算書を書く必要はないが、「なぜこの構造計算が必要な建物なのか」を理解した記述が評価につながる。

12

今年の課題に必要な構造計算はどれか?ルート1〜3と許容応力度計算を整理する

5種類の構造計算の違いと、今年の課題(木造3階建て)はルート1が義務になる理由(令81条)


このシリーズの使い方

1

STEP1→2→3→4→5の順番で読む。後半の記事は前半の記事を前提にして書いているので、順番通りに読むと理解が積み上がる。

2

各記事の「記述例」を参考にして、自分の言葉で「計画の要点等」を書く練習をする。コピーするのではなく、設計条件に合わせて数値や理由を入れ替えて使う。

3

法令集の線引きや読み込みはこのシリーズを読んでから始めると効率がよい。どの条文が今年の試験に関係するかが分かった状態で法令集を開くと、必要な箇所を探しやすくなる。

※本シリーズは2026年7月時点の公開情報をもとに作成しています。実際の出題内容・設計条件は、必ず試験当日の問題文と公益財団法人建築技術教育普及センターの公式発表をご確認ください。